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2014年8月9日土曜日

「世界標準」って何?みなさんの疑問・意見を出してみよう③


DVD「『テンポ』を理解すれば、誰でも簡単に実践できる!!世界標準のバレーボール」
をきっかけに議論をしてみましょう、というテーマの記事のその3です。

短期間で確実に成功できるダイエット方法は?
効率よく習得できる英語学習方法は?
ピアノって短期間でマスターできるの?
どうやたらお金がたまるの?
どうやったらテストの点数が上がりますか?
成績を上げる方法は何ですか?

こういったことは、いい年になった大人になってからもしばしば考えちゃうことです。
でも、考えてみると、正解があるわけではありません。いろんな人に相談しても、方法は様々。
ダイエット方法なんて面白いですよね。毎年毎年、実に次から次へといろんな方法が出てきて、もはやそれは流行の域となっていること・・・りんごダイエット、トマトダイエット、何とかキャンプ、ロングブレス、炭水化物制限・・・まあまあ無数にありますよね。でも、今もまた新しいダイエット商品が宣伝されているわけです。
私たちって、何か成功が保障されるようなものを、求める傾向が強いのだろうと思います。
そりゃ当然で、成功するか損失を生むかわからないものより、これをやれば、確実に成果を得ることができるとわかれば、安心して取り組めますからね。
でも、私たちは気づくべきだと思います。
唯一無二、無二無三なものなど、そうそうはないということです。
だったらコロコロとダイエット方法は出てこないわけです。
それが運動スキルの習得となればなおさらです。

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ところが、スポーツの指導をしていても、何かいい方法は?を求めるあまり、
思考を伴わない、表面上の「ハウツー」ばかりを選ぶようになり、
そこから「これさえやれば上手くなる」「これをやらせれば勝てる」
という思考になっていきます。
そういった指導を毎日受けている選手たちも、
当然そのように思いこんでいくことになり、
自分の感覚や感性、疑問や思考錯誤といった過程を介さない、
練習や試合経験となっていきます。
ですから、やっていることの根底にある、
自分の意志、判断、決断は、自分の外から与えられたものになっちゃう
ということも言えてくるのだろうと思います。

よく選手やコーチたちは、
「自分たちのバレーをすれば勝てる」とか、
「自分たちのバレーができなかったから負けた」とか、
言うことを耳にします。
それは、実力を上手く発揮できなかった、メンタル的に自分らしさを維持できなかった、
という意味での振り返りであると理解したいですが、
一方で懸念されるのが、
「ジブンタチノバレー」というのが、
指導者から与えられたものをただ遂行し、それがどんな局面や情勢の変化にあっても、
気づかず対応や小さな変化もしようともせず、盲目的に外から言われていることを再生しようとする、練習形態やプレースタイルといったものが、結びついているんじゃないかということです。
相手がライトからの攻撃の気配がないのに、ブロックが一枚ライト寄りに立っていたり、
常時コミットブロックを跳ばせるようなワンパターンなブロックシステムだったり、
レセプションのシフトが、どんなローテやどんな試合でも5W型をとっていたり、
守備ができないミドルブロッカーだったり、
相手のブロックが動きもせず待ち構えている所に時間差をかけて攻撃してきたり、
味方のスパイカーが打ちにくく決まっていないのに、はやくて低いトスで、見方も相手も振りまわすトスを上げていたり。
こういうのは、とても残念な現象であり。
これはそういう思考にさせてしまっている現状が
あるということだと思います。





じゃあ、アナタの「ジブンタチノバレー」って何ですか?
と訊かれたら、そういった選手や指導者はどう答えるのでしょうか?
守りのチーム?高さとパワーのチーム?
速攻バレー?コンビバレー?粘りのバレー?
はたまた心のバレー?
そういった「局所的」な答え、または漠然としたものが多くなるだろうと思います。
だからこれって、結局「いいダイエット方法は?」というのと同じレベルになるということです。
粘りって何でそうなんでしょうか?
レシーブさえがんばって練習すればいいのでしょうか?
拾えたって、攻撃をもぎ取れなければどうなるのでしょうか?
さらには「気合い」「精神力」だけで成果が出るのでしょうか?
その時点で、「ジブンタチノバレー」というのは、
日常の練習アプローチからはじまり、選手の思考レベル、
そしてゲームの質などに大きく関与しているのだと思います。
選手一人ひとりの思考やモティベーションなどの内面から生み出されたプレー観ではなく、あくまでも、「そう教わったから」「それをすれば勝てると思う」といった、ハウツー指向的な考え、空気が、いろんな課題となって表面化しているように思えます。
これから求められるのは、
戦い方や戦術、プレーの選択決断は、選手自身の内面から生み出され、創りだされるものであって、それをさせるためには、思考を育むような練習をしていかねばならないと思います。
「だから!~しろって言ったでしょ!」
こういったものから離れて、時間が多少はかかっても、本当の「ゲーム」をさせてやるように仕向けることが必要かもしれませんね。
みんなに惜しまれ解任された、ゲーリー・サトウ元全日本男子バレー監督は、「Grow the Game」と言ってたわけです。
それって「ジブンタチノバレー」に対するアンチテーゼだったんじゃないでしょうか?


(2014年)

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