全日本コーチブラン氏が語る
バレーボールのプレースタイルの変遷
伝説の名セッター猫田勝敏のプレーが観れます。
世界の大逆転劇
FIVB volleyball history
1964年東京オリンピック 東洋の魔女
(2018年)
Translate
2018年1月17日水曜日
2018年1月1日月曜日
(コーチ向け記事)バレーボールのコーチング再考
Let me express the greetings of the season.
I wish you a Happy New Year 2018!
We love volleyball.
2018年、新年あけましておめでとうございます。
昨年もコーチやプレーヤー、ファンの方々にたくさん支えられました。ありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
実は2017年年末にと東南アジアの国に行ってU15世代のチームと交流することができした。
そこでは、決定的な指導アプローチに違いを感じました。そして、中学生のアティテュードにも明かな違いを感じました。
ただ、「感じた」「見えた」というのが、あくまでも主観的な要素が多いし、それが何によって生み出されているのかが分からないままなので、日本の子たちに何をどうしたらよいかははっきり言えないのですが、ただ漠然と日本でのバレーボール指導は、これからもう一段も二段もステップアップさせていかないと、ますます世界の中で遅れをとるのではないかという、直感的な危機感におそわれたのでした。
その国のトップレベルのU15チームと交流、対戦しました。ボールコントロールなどは、日本で言われるところの「美しさ」があるというより、外見上の粗さがあるようにも見えるのですが、ゲームにおいてまずボールが落ちません。ブロックは1枚になることはあまりなく、サーブも明らかに訓練されていました。特にセッターの通り道とクイック封じのコントロールサーブ、そしてサイドラインターゲットなどは訓練されていました。セッターとリベロも上手かったです。
個々のボールさばきには個性が多少あっても、チームとしてはかなり組織化されていて、ポジショニングの正確さも見事でした。
コーチたちは、妥協しないところは妥協せず指導し、練習やゲームが終わったあとは、徹底的にミーティングしています。「ベーシック」という言葉をしきりに私たちにも言っていましたが、基本という概念も日本とは違うような気がします。「ボールを落とさない」、「自分の周辺ボールは落とさない」、「アタックは積極果敢に」、「ポジショニングを考えろ」・・・何か要求ゾーンには幅がありながらも当たり前なことを徹底させているような気がします。
選手は日本の中学生と比べると、かなり大人びていて自立している印象を受けます。彼らの立ち振る舞いや練習態度から感じたことです。そして選手はみんな、自分がバレーボールが好きだからという気持ちがにじみ出ているのも印象的でした。
日本のバレーボールの指導が、これからますますアップデートをしていかないと、いけないような気がします。
バレーボールの歴史は、時代とルールの変遷によって、大きく変化していました。トレーニング方法も変わってきています。ところが日本のバレーボールの指導内容やアプローチ、指導観は、世界の変化に比べて、アップデートが鈍いです。
よくナショナルチームレベルで、戦術論やプレー論が比較考察され、議論が展開されていますが、私は育成世代で世界で何が行われているのか?どんなタクティスやツールを用いてコーチングされているのか?それがトップカテゴリにどのような影響を与えているのか?それこそが学びたい内容であるし、日本のバレー界の閉塞感を動かす力の一つになると確信しています。
実は、私、大学を卒業して随分たったこの歳になってから、英語を学びたいと思い始め、ちょっとだけ勉強を続けています。これがなかなか上手くならず困っています。
そんな中、外国語学習について、専門家の友人から興味深い話を聞きました。言語の学習にもトレンドが時代とともにあり、変遷してきたというものです。当たり前のことですが、その時代のトレンドもいつか短所が明らかになると批判され、新たなトレンドが構築されていく。そのプロセスが、実は言語学習のみならず、バレーボールの指導にも当てはまる、私が考えていた日本のバレーボール指導のあり方にも符合するものです。
外国語教授法
このサイトに書かれている内容で、
以下、外国語教授法にある文章の一部をバレーボールに置き換えながら
引用しておくと
個人的に考察しているのは、日本のバレーボール指導は、言語学習の変遷で言えば、1960年代~1970年代の教授法が根強く残っていると思います。オーディオ・リンガル・メソッドなどといった教授法が、日本のバレー指導スタイルに近いんじゃないかと思うわけです。
その特徴は、
・型のインプットと反復トレーニング
・型の再現力
・ティーチング要素が強い
・正確さが要求される
・失敗は避けるべきもの
・指導者(コーチ)中心、主導
・項目を順を追って組織的に教える
昨年2017年、バレーボール界の一部では、指導における「プレーヤーズ・ファースト」の概念や「試行錯誤」の重要性が話題になったような気がします。
私は、いずれも「プレーヤーズ・ファーストだ」、「試行錯誤しろ」と指導者が言うものではなく、「そうなるべきもの」だと考えます。
私たちバレーボール指導者は、いかに効率よく勝てるか?いかに効率よく確実にスキルアップできるか?何かいい特効薬はないのか?ばかりを追い求めてきたと思いませんか?要するに、「楽をしてきた」のだと思います。思考停止をしているのは、選手以上に指導者がそうなっているのだと思います。指導者は選手に「考えろ!」という前に、まずは自分自身が「深く考える」ことが必要だと思います。だから短いスパンの一時期で成果が出ない選手(子どもたち)は、バーンアウトしたりリタイヤしたり、発掘のまな板から落とされてしまってきたのです。
言語学習では、指導者からの一方向的な指導だけでは限界があることから、コミュニカティブ・アプローチに軸足が移行していきました。
その特徴は、
・状況への柔軟な対応
・実践力→(言語:コミュニケーション、バレーボール:ゲームセンス)
・学習者からのアウトプット
・個に応じたコーチング
・失敗は習得に不可欠なもの、貴重な教材
・学習者(選手)中心
・「インフォメーションギャップ」「自由な選択があるか」「フィードバック」の3要素を把握、設定する
というポイントがあろうかと思います。これ、言語学習だけじゃなく、バレーボール指導にもまったく符合することだと思います。
強調したいのは、どの指導アプローチが正解かではないということ。
パターン練習とランダム練習
クーロズドスキル練習とオープンスキル練習
スコアリングスキル練習とノンスコアリングスキル練習
分習法と全習法
適宜、どこでどの場面で取り入れるかがコーチの手腕。
そこを日本のバレー指導者が考え方を変えないと、ますます世界に取り残されると断言できます。
小中学生のバレーボールコーチは、もちろんシニアやナショナルチームのバレーボールにも知見を持たねばならないし、コーチングできなければいけないと思っています。逆にトップレベルのコーチやトップカテゴリのコーチは、育成世代の子どもたちや初心者にもより良い指導を提供できなければならないと考えています。
でも、日本では世界の中でもさかんにバレーボールが行われているにもかかわらず、指導者は自分のカテゴリに安住してあぐらをかいているのではないでしょうか?もっと指導の在り方やメソッドの内容を掘り下げて学び、さまざまな場面でさまざまな対象者に常に良いコーチングを提供できなければいけないと思うのです。
2018年は、今まで以上に、日本のバレーボールの「指導者」や「コーチング」に焦点があたることを期待しています。
本年もよろしくお願いいたします。
ああ、英語が話せるようになりたいです(笑)
(2018年)
I wish you a Happy New Year 2018!
We love volleyball.
2018年、新年あけましておめでとうございます。
昨年もコーチやプレーヤー、ファンの方々にたくさん支えられました。ありがとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
実は2017年年末にと東南アジアの国に行ってU15世代のチームと交流することができした。
そこでは、決定的な指導アプローチに違いを感じました。そして、中学生のアティテュードにも明かな違いを感じました。
ただ、「感じた」「見えた」というのが、あくまでも主観的な要素が多いし、それが何によって生み出されているのかが分からないままなので、日本の子たちに何をどうしたらよいかははっきり言えないのですが、ただ漠然と日本でのバレーボール指導は、これからもう一段も二段もステップアップさせていかないと、ますます世界の中で遅れをとるのではないかという、直感的な危機感におそわれたのでした。
その国のトップレベルのU15チームと交流、対戦しました。ボールコントロールなどは、日本で言われるところの「美しさ」があるというより、外見上の粗さがあるようにも見えるのですが、ゲームにおいてまずボールが落ちません。ブロックは1枚になることはあまりなく、サーブも明らかに訓練されていました。特にセッターの通り道とクイック封じのコントロールサーブ、そしてサイドラインターゲットなどは訓練されていました。セッターとリベロも上手かったです。
個々のボールさばきには個性が多少あっても、チームとしてはかなり組織化されていて、ポジショニングの正確さも見事でした。
コーチたちは、妥協しないところは妥協せず指導し、練習やゲームが終わったあとは、徹底的にミーティングしています。「ベーシック」という言葉をしきりに私たちにも言っていましたが、基本という概念も日本とは違うような気がします。「ボールを落とさない」、「自分の周辺ボールは落とさない」、「アタックは積極果敢に」、「ポジショニングを考えろ」・・・何か要求ゾーンには幅がありながらも当たり前なことを徹底させているような気がします。
選手は日本の中学生と比べると、かなり大人びていて自立している印象を受けます。彼らの立ち振る舞いや練習態度から感じたことです。そして選手はみんな、自分がバレーボールが好きだからという気持ちがにじみ出ているのも印象的でした。
日本のバレーボールの指導が、これからますますアップデートをしていかないと、いけないような気がします。
バレーボールの歴史は、時代とルールの変遷によって、大きく変化していました。トレーニング方法も変わってきています。ところが日本のバレーボールの指導内容やアプローチ、指導観は、世界の変化に比べて、アップデートが鈍いです。
よくナショナルチームレベルで、戦術論やプレー論が比較考察され、議論が展開されていますが、私は育成世代で世界で何が行われているのか?どんなタクティスやツールを用いてコーチングされているのか?それがトップカテゴリにどのような影響を与えているのか?それこそが学びたい内容であるし、日本のバレー界の閉塞感を動かす力の一つになると確信しています。
実は、私、大学を卒業して随分たったこの歳になってから、英語を学びたいと思い始め、ちょっとだけ勉強を続けています。これがなかなか上手くならず困っています。
そんな中、外国語学習について、専門家の友人から興味深い話を聞きました。言語の学習にもトレンドが時代とともにあり、変遷してきたというものです。当たり前のことですが、その時代のトレンドもいつか短所が明らかになると批判され、新たなトレンドが構築されていく。そのプロセスが、実は言語学習のみならず、バレーボールの指導にも当てはまる、私が考えていた日本のバレーボール指導のあり方にも符合するものです。
外国語教授法
このサイトに書かれている内容で、
以下、外国語教授法にある文章の一部をバレーボールに置き換えながら
引用しておくと
> それぞれの外国語(バレーボール)教授理論あるいは教授法は、それぞれの特徴を持っているが、やはり数ある外国語(バレーボール)学習法と同じように、善悪や優劣を決められるようなものではないだろう。> 先に書いたことと重複してしまうが、英語(バレーボール)の学習法に関して言えば、それぞれの個人に合った学習法は、その人の英語(バレーボール)を学ぶ目的や既習レベル、性格や信念、好み等々によって変わってくる。> 同じ目的を持って英語(バレーボール)を学習する人たちの中でも、適性や好みによって、各個人にフィットする学習法は大きく違ってくる。> さらには、英語(バレーボール)学習を始める年齢や既習レベルの違いによっても、適した学習法は変わってくるものなのである。> それぞれの教授法がそれぞれの特徴を持っているので、学習者にとって、‘自分に合っている’と感じられる教授法は個人個人で違ってくるはずである。> 外国語(バレーボール)を指導している現場の教師たちの間でも、いろいろな教授法の要素を取り合わせた‘折衷法’が一番いい、という意見がもっとも多いようだ。> もちろん、その‘折衷’的なやり方においても、学習者の適性などによって、柔軟に指導の仕方も変化させる必要があると思うが…。> あるやり方がある学習者たちに効果的だったからといって、そのやり方がいつでもどんな学習者に対しても効果的であるとは限らないからだ。> 教師(コーチ)の指導法の理想を言えば、教師(コーチ)はいくつもの教授法に熟達し、学習者の条件に応じて臨機応変に適当な教授法を使うようにするのが望ましい、ということになる。> 常にどんな学習者に対しても効果的であり、最も正しい教授法、というのも存在しないと思う。
個人的に考察しているのは、日本のバレーボール指導は、言語学習の変遷で言えば、1960年代~1970年代の教授法が根強く残っていると思います。オーディオ・リンガル・メソッドなどといった教授法が、日本のバレー指導スタイルに近いんじゃないかと思うわけです。
その特徴は、
・型のインプットと反復トレーニング
・型の再現力
・ティーチング要素が強い
・正確さが要求される
・失敗は避けるべきもの
・指導者(コーチ)中心、主導
・項目を順を追って組織的に教える
昨年2017年、バレーボール界の一部では、指導における「プレーヤーズ・ファースト」の概念や「試行錯誤」の重要性が話題になったような気がします。
私は、いずれも「プレーヤーズ・ファーストだ」、「試行錯誤しろ」と指導者が言うものではなく、「そうなるべきもの」だと考えます。
私たちバレーボール指導者は、いかに効率よく勝てるか?いかに効率よく確実にスキルアップできるか?何かいい特効薬はないのか?ばかりを追い求めてきたと思いませんか?要するに、「楽をしてきた」のだと思います。思考停止をしているのは、選手以上に指導者がそうなっているのだと思います。指導者は選手に「考えろ!」という前に、まずは自分自身が「深く考える」ことが必要だと思います。だから短いスパンの一時期で成果が出ない選手(子どもたち)は、バーンアウトしたりリタイヤしたり、発掘のまな板から落とされてしまってきたのです。
言語学習では、指導者からの一方向的な指導だけでは限界があることから、コミュニカティブ・アプローチに軸足が移行していきました。
その特徴は、
・状況への柔軟な対応
・実践力→(言語:コミュニケーション、バレーボール:ゲームセンス)
・学習者からのアウトプット
・個に応じたコーチング
・失敗は習得に不可欠なもの、貴重な教材
・学習者(選手)中心
・「インフォメーションギャップ」「自由な選択があるか」「フィードバック」の3要素を把握、設定する
というポイントがあろうかと思います。これ、言語学習だけじゃなく、バレーボール指導にもまったく符合することだと思います。
強調したいのは、どの指導アプローチが正解かではないということ。
パターン練習とランダム練習
クーロズドスキル練習とオープンスキル練習
スコアリングスキル練習とノンスコアリングスキル練習
分習法と全習法
適宜、どこでどの場面で取り入れるかがコーチの手腕。
そこを日本のバレー指導者が考え方を変えないと、ますます世界に取り残されると断言できます。
小中学生のバレーボールコーチは、もちろんシニアやナショナルチームのバレーボールにも知見を持たねばならないし、コーチングできなければいけないと思っています。逆にトップレベルのコーチやトップカテゴリのコーチは、育成世代の子どもたちや初心者にもより良い指導を提供できなければならないと考えています。
でも、日本では世界の中でもさかんにバレーボールが行われているにもかかわらず、指導者は自分のカテゴリに安住してあぐらをかいているのではないでしょうか?もっと指導の在り方やメソッドの内容を掘り下げて学び、さまざまな場面でさまざまな対象者に常に良いコーチングを提供できなければいけないと思うのです。
2018年は、今まで以上に、日本のバレーボールの「指導者」や「コーチング」に焦点があたることを期待しています。
本年もよろしくお願いいたします。
ああ、英語が話せるようになりたいです(笑)
(2018年)
登録:
投稿 (Atom)