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2014年8月9日土曜日

「世界標準」って何?DVDでみんなの議論を⑤ ~概念の違いかなぁ


DVD「『テンポ』を理解すれば、誰でも簡単に実践できる!!世界標準のバレーボール」
の5月連休明け以降の発売をきっかけに、
バレーボールへの議論が、いろんな形で盛り上がればいいなと思い、
この話題がきっかけになればいいなと記事を書いてのその5。
今回のPR動画から垣間見れることは何でしょうか?

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私は、練習において、プレーの精度を上げる目標の練習は、
必要だと思いますし、どのコーチもそういう練習を考えておられると思います。
その最たる例が、レセプション(サーブレシーブ)や
ディグ(パスやレシーブ)というものを、
セッターが待っている定位置に確実に返球できるかどうかというターゲットです。
これを、ちまたでは「Aパス」とか「Aカット」と言うそうです。
セッターがあまり動かない位置に返球できればA、
セッターが一歩か二歩、または1~2Mの範囲であればB、
セッターがアウト・オブ・タイム状態になればCといった
ところでしょうか?
ですから、ファーストタッチ(セッターへの返球)の精度を上げるとなれば、
自らのコントロールによって、「Aパス」を目指そうということにつながるわけです。

ここまでは何ら疑問点はないかもしれません。
ですが、問題は「Aパス」を要求しすぎたことによって、
本来あるべき状態を見失ってきたんじゃないの?
ということをこの動画で説明しているんだと思います。
つまり、「Aパス」を目指そう
    「Aパス」じゃなきゃいけない
    「Aパス」じゃないとセットできない
    「Aパス」じゃないと攻撃が成り立たない
    「Aパス」じゃないと勝てない
と、どんどん視点が脱線して、
頑張るべきものを見失ってきたんだと思います。



「頑張るべきもの」とは何か?
それは、ボールを床に落とさないことと、
何でもいいからスパイクヒットにつなげ、そこからできるベストな攻撃を生み出すこと
じゃないかなと思います。
よく「トスが乱れる」という言葉がありますが、
それにも実は許容範囲の幅が随分違うのだと思います。
「Aパスじゃなきゃいけない」と練習してるチームは、
その分要求ハードルが上がりますから、
「トスが乱れる」場面が増えます。
でも、Aパス以外からの攻撃オプションを備えたチームは、
仮にAパスじゃなくても、積極的攻撃を繰り出せますから、
「トスが乱れる」場面は少なくなります。
これらの課題のキーとなってくるのが「バックアタックの標準化」です。

ここまで話が進んでくると、
もはやバレーボールのスキルというのは、
Aパスがどうのとか、言ってられないと思います。
・バックアタックの標準化
・脱はやいひくい信仰
・脱Aパス強迫観念
・ファーストタッチの返球の在り方
・攻撃の主導権はセッターではなくアタッカーである
などなど、
「スキルチェーン」でのマクロな発想が、
これまで以上に求められるのだと思います。

「Aパス~%以上を目指そう」
限りなくパーセンテージの高い選手はやはり有能なんだと思います。
でもパーセンテージが高くても、
その後の展開や、Aパスじゃなかった時に何もできなければ、
そのスキルも無駄になってしまいます。
また、常に「Aパス」を意識しすぎるがために
起こる現象もあろうかと思います。
それは、相手からダイレクトをやられたり、
セッターに返球しようとしたボールが相手のブロックのえじきになったり、
セッターのタッチネットやペネトレーションフォルトになったり。
そういったものにも影響があるということに、
もっと視野を広げないといけないのかもしれませんね。


(2014年)

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