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2019年12月31日火曜日

「育成」とは何かを問いかけ(2019年をしめくくる)

 2019年が終わります。みなさんにとってどのような1年となったでしょうか?
私もとある方から「どのような1年でしたか?」と問いかけられた時、「バレーボールでは・・・」と正直言葉がつまってしまいました。お恥ずかしい限り、その時は周囲に自慢できる成果などないなと考えてしまいた。
 でも、バレーボール以外での仕事では自分はたくさんのチャレンジや成果があって充実していたし、バレーボールでも決して周囲からは見てもらえない小さな学びや自信となった経験もあったし、人との出会いもありました。
 そんなことを、言ったら「それが大事。小さな幸せを誇れることが一番」と言われました。さて、みなさんの2019年はいかがでしたでしょうか?
2019年のバレーボールでは、個人的には
 ① 日本代表男子チームの活躍と希望ある展望
 ➁ Vリーグの各カテゴリの盛り上がり
 ③ バレーボールファンの多様なつながりや交流
 ④ メディアが発信するバレーボール情報の進化
などが、これまでにない変化がみられたような気がします。

私は、このブログでも平成が終わり令和という新しい時代を迎えるにあたり、日本のバレーボールでももう一度「育成」を見つめなおそうというのが、今年のスタートにあたってのテーマでした。しかし、残念ながら、①~④で取り上げたような材料に比べると、あまり大きな変容を感じられなかったというのが正直な感想です。

 新年2020年はオリンピック・イヤー。しかも私たちの国日本で開催されます。来年の東京五輪での成果も大事ですが、それ以上に五輪後どのように発展させていくかの方が重要だとも言われていますし、海外ではもうそこに着手している国もあるようです。そこでバレーボールを考えるブログとして2019年の締めくくりは、「育成」をもう一度みなさんと考えてみたいわけです。



「育成」を考えるうえで、

「バレーボールでみんながハッピーになる」

というのが大事だと思うわけです。
する・みる・支える・・・大人も子供もどの地域やカテゴリも・・・
みんながバレーボールでハッピーな気持ちになれるかどうか。
それが「育成」の成否の根本として重要なのではないかと思った1年でした。

勝利や成功で得られる喜びや幸せがある。
タイトルやステージアップで得られる喜びや幸せがある。
人との出会いの喜びがある。
新しいことを知った学んだ喜びがある。
いろいろあろうかと思います。
でも、そのような喜びは幸せは、「すべての人」にもたらされなければならないと思います。
 高みを極めた一部の人々だけが幸せになり、それ以外の人々は幸福な気持ちになれないようではいけないと思うわけです。でも勝ち負けはスポーツや競技をやる以上は生じてくるわけですから、「すべての人がハッピーになる」というのは、別のコンセプトや価値観が必要になるんだと思います。
 よく指導現場では、対戦相手を敵と呼んだり、目標設定を相手を倒すなどという表現をするのをみかけます。そんなコンセプトでは「バレーボールですべての人が幸せになる」という状態はいつまでも達成できないんだと思います。
 ファンの間では、戦術、選手個人の為人、国内・海外・・・など、人々の志向の違いが話題になることもあり、時には意見が対立することも見受けられてきました。
 対立というのはゼロにはできませんが、それでも共存やコラボレーション、相互理解などで、すべての人がハッピーになる余地というのは、まだまだたくさんあると思うわけです。



バレーボールにおける「育成」に話を戻します。

「育成」という言葉が使われる場合にもそのニュアンスや定義には様々な違いあると思っています。例えば代表チームや国内リーグなどにおける選手の「育成」は、ある程度セレクトされたスキルや経験のある一定レベル以上の人々を対象としています。私はこれは、「強化的育成」と呼ぶか、育成とは呼ばない方がいいのではないかと考えます。

 私がここで言うところの「育成」とは、子どもたち・・・つまりは学齢期(高校生くらいまで)をターゲットとして、しかも「彼らのすべて」を指す概念として考えています。
 先ほど申し上げた通り、2019年の日本のバレーボールでは「育成」の議論やイノベーションは不十分だったと感じています。率直に言えばあまり変容や進歩は感じられませんでした。

「楽しむ」・「尊重」・「探究」

この辺りが、バレーボールにおける「育成」の取りかかりとなる要素になってくると思います。そこに「すべての子どもたち」を掛け合わせていきますと・・・。やるべきことや取り組む余地は膨大なものになるのではないでしょうか?
 
 日本では、これからの教育の大きなテーマの中に、「主体的・対話的で深い学び」というものが掲げられています。
 このテーマは、実は日本のバレーボールの指導現場にも通じる課題なのではないかと思います。
 「主体的」、「対話」、「深い学び」・・・どの言葉もその解釈や理解は一言では説明しきれないものだとは思います。
 子どもたちの「主体性」はどうやって生まれてくるのか?
 一見、自立し統率されているようなチームでも、その根元は指導者や保護者の意向や思惑によって仕向けられていることが多く、それは「やっている」より、「やらされている」側面が強いわけです。一生懸命やっているようで、実は一生懸命やらされているわけです。これでは主体性があるとは言い難いわけです。
 子どもたちにとっての「対話」とは何か?
 対話には、「他者との対話」と「自己との対話」があります。
 他者との対話では、相手への敬意や相手から吸収しようという姿勢が重要です。いくら礼儀正しくとも、相手の考えを理解できない思考力の浅さや、建設的なディスカッション能力ができなければ、他者との対話は成立しません。
 「対話」で見落としがちになりやすいのが「自己との対話」だと思っています。自分のことを振り返って、思考や感情を整えたり、自分へフィードバックをして学習を促進させたりなど、試行錯誤や工夫という作業を成立させるためには不可欠な要素です。
 「深い学び」とは何をもって達成されるのか?
 それは新しい気づきや発見はもちろん、仮に新しい成果や知見がもてなくても、自分自身で仮説や検証をし、一定の方向性を見出す「プロセスを経験する」ことで学びを深めることになるんだろうと思います。

「育成」において、
「すべての人々(子どもたち)がハッピーになる」
ことを実現させる。
試合で勝った者たちだけが幸福感を得て、そうでない者たちは幸せになれない。
選ばれた者だけが幸せになり、選ばれない者たちはハッピーになれない。
キャリアやステータスを得たものが幸せで、そうでない者は不遇を味わう。
これが根深い日本のバレーボール界の育成における課題なんだと思っています。

「楽しむ」・「尊重」・「探究」

ここに、「主体的」・「対話」・「深い学び」が結びつくと思います。

同じことをやっていても、夢中でどんどんチャレンジし続ける人もいれば、必死に苦しみながらやらされている人もいる。
自分の中に起こるイノベーションを求め、貪欲に吸収しようとスクラップ&ビルドを重ね試行錯誤の中から最適解を探る人もいれば、絶対解を信じ他の可能性を排除しながら突き進む人もいる。
(成長欲求という)自分のためにチャレンジし続ける人もいれば、自分の承認的存在意義を守るため他者を標的にしてマウントをしてくる人もいる。

でも、普遍的なのは、他人の幸福を誰かが奪うことがあってはならないことです。そして人のチャンスや可能性を潰していいということにはならないということです。
 今一度、日本のバレーボールにおける「育成」をみなさんと考え、イノベーションを起こしたいというのが夢です。
 すべての子どもたちが、大きな夢や目標に向かって、生き生きとバレーボールを生活の一部にすることができる。そこに線引きも選別もなく共有されるべき、コンセプトやビジョン、フィロソフィーやバリューがあるはずです。



 お恥ずかしい話、私は、友人とボーリングやカラオケ、ゲームセンターに行くのが昔から好きじゃありませんでした。なぜなら、「下手な自分」に対するコンプレックスが強く、楽しめなかったからです。でも、周囲はそんな上手下手に関係なくみんな「楽しむ」ことを目的としていますよね。

 バレーボールのプレーや結果というのは、因果関係が複雑に絡み合って形成されます。そしてミスが起こって当たり前のスポーツ。プレー中はミスをしたあとに、いかにして素早く次のプレーの意識を切り替えるかが重要。そのあとで、なぜミスをしたか、どうすれば同じミスを繰り返さないかを振り返り考えることを怠らないことで、次へのモチベーションへとつなげます。これはバレーボールに限らず、どのスポーツに限らず、人間生活の作業として必要な営みですよね。

 (大人への)お茶出しやあいさつで気が利く選手は試合中のプレーにも生きると言われて指導(教育)されていることも多い(自分もやらせていた時代がある)ですが、そもそもバレーボールというゲームの中の「気づき」を生み出すためには、バレーボールの中の情報や知識がないと気づきにならないわけです。だから、バレーボールの試行錯誤や主体的な工夫をしないまま、他の生活場面での気づきばかりを求めても、バレーボール選手としてのレベルアップには限界がくる。

 すべての子どもたちが、またはすべての大人たちが、
「バレーボールと出会ってよかった」、「バレーボールをやってよかった」
 そうなるために、
 それぞれの「今」やっているプロセスが「夢中」で「楽しい」状態であること。自分が考えていることを表現しても非難されて評価を下げられず自分の立場が脅かされない心理的安全があること。いいものをつくりあげていくために、膨大な時間をかけて試行錯誤を確保でき失敗が許される安心してチャレンジできること。
 こういったことを、バレーボールを通して経験していくことで、ある者はアスリートとして、ある者はコーチやティーチャーとして、ある者はマネジメントやビジネスとして、ある者は親として・・・とにかくあらゆる社会や人生のステージで、生かされていく。これが、「すべての人々がハッピーになる」ということに通ずるんだと思います。

 何かの試練を乗り越え生き残った者たち、勝ち続け成功のレールだけを進んできた者たち、過去のキャリアやステータスを得た者たち・・・一部の人間だけのための幸福だけではなく、「すべての人々・すべての子どもたちに」にバレーボールは何ができるか?
 これが「育成」だと思います。

 いよいよ来年は東京五輪があります。日本代表男女の活躍はもちろん、私たちが住む国で、世界のバレーボールの「ガチ勝負」を観ることができることへの期待感をもちながら、同時に日本のバレーボールのさらなる発展やイノベーションの元年となる1年になればいいなと願います。

 みなさん、今年も1年間お付き合いいただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。

Thank you very much for your personal relationship that you extended to me throughout 2020.


(2019年)

2019年11月4日月曜日

「バレーボール」の手前にある大事な物(ヴォレアス北海道)

2019/11/02~ バレーボール「Vリーグ」(DIVISION2)

 ヴォレアス北海道の開幕戦そしてホームゲームとなる試合を旭川に行って2日間観戦してきました。札幌からは高速道路を車で走らせること2時間くらいかかる距離です。
チーム設立までの変遷やチーム設立後の過程など、同じ北海道に居て知っていることもありましたが、直に眼にはしてこなかったので、思い切って行ってみようと思いました。
正直、いろんな意味で感服、感動することが多く、大いに楽しめる空間を過ごすことができました。
【公式】VOREAS HOKKAIDO(ヴォレアス北海道)OFFICIAL WEBSITE
https://voreas.co.jp/

ヴォレアス北海道公式ツイッター
https://twitter.com/voreas_official

 自分が勝手に観て思ったことなので、ひょっとしたらチーム関係者の思いや意図するところとは外れているかも知れませんが、今回の現地旭川でのヴォレアス北海道のホームゲームから感じたことを記録しておくことが、これからの日本のバレーボールにはいろいろ有益になるだろうと考えます。

「バレーボールの普及と発展」、「バレーボールファンの拡大」、「バレーボールの面白さを知ってもらう」・・・。そして、「くくり」、「ファン層」、「○○推し」、「○○ヲタ」・・・。
 そういったバレーボールに関する様々なテーマや、人々の区分などを超えた何かが、そういったものを超えた人々を巻き込んでいく工夫や努力がいろいろ北海道旭川のヴォレアス北海道にはあるんだと思いました。

 何といえばよいのか・・・思考の転換、発想の転換みたいなものを個人的には感じたのです。問題指向型アプローチなマネジメントではなく、目標指向型アプローチ的なマネジメントとでも言ったらよいのか。それとも減点法的プランではなく、加点加算的プランニングというか。
つまりは、日本のバレーボール界は、組織も各チームでも、これまでもそれなりに、競技人口の減少やファンの減少、競技成績の低迷などに危機感をもち、アクションを起こそうとはしたのです。しかしそれらの多くはことごとく頓挫してきています。その多くの事例は、あれは無理だの、これは合わないだの、お金がないだの、チャレンジをさせる間もなく、「できない理由」ばかりを論じてきたのが大きな要因の一つだと思っています。

 ファンが少ないから増やしたい、バレーボールへの関心が弱いから関心を高めたい・・・。そういった問題指向的なアプローチではなく、地域にバレーボールというものを広めようとする中で、まずはダイレクトにバレーボールにつながる効果を考える前に、バレーボールというものを「きっかけ」または「媒体」として、いろんな立場の人々を、一つの空間に集め、そして繋ぎとめる・・・。「バレーボールの手前にある」人々のつながりを模索する中で、バレーボールがそのシナプス(つなぎとめるもの)となって、結果、バレーボールという空間や世界を人々がシェアしていくという発想を感じ取れたわけです。どうやったらバレーボールやチームに関心を寄せてもらうか?の前に、バレーボールという空間で、「あんなこともできるのでは」、「こんなこともやってみたい」・・・そういうものの積み重ねの上に、結果的にバレーボールが人々によって盛り上げられる、目標指向的なアプローチによる発想や、「まずはやれることからやってやる」という加点加算的なチャレンジが、ホームゲーム会場の随所に見られたわけです。


会場のレイアウトは、チームカラーや選手を大々的に表現されていて、否応なしにホームゲームの雰囲気ができあがっています。


グッズも買いたくなるようなデザインに凝ったものが多く、生産側とのタイアップやコラボレーションも考えられていて、商業的にもwin-winの構築を模索しているように見えます。グッズ以外にも飲食店ブースもあって、バレーボールの試合を食べ飲みしながら楽しめるようになっています。これらの購入には、キャッシュレス化を取り入れており、かなり先進的なものを感じます。


子供たちの活躍も印象的です。ダンスとバレーボールを融合して、子供たちがダンスを通して、バレーボールの世界やヴォレアスというチームの魅力にも引き込んでいるのがわかりました。子供たちの活躍は、彼らを見守る多くの大人にも波及していきます。こうして気付けば子供から大人まで、商業関係者からスポーツ関係者までが、バレーボールの空間に集うようになっています。


DJ、MCの軽快なアナウンスは、しつこ過ぎず、しかもバレーボールや選手ファースト。あくまでもバレーボールの醍醐味を伝えるという基本線をはずさない演出が、安心してバレーボールの試合観戦を楽しめる雰囲気になっています。BGMも老若男女みんながカッコいいと思える曲をチョイスし、会場の一体感とホームの特別感を演出しています。
場内にはスクリーンが設置され、選手達が出演する観戦案内や、カッコいい選手紹介、そして試合の実況映像や、会場のファンを映し出す演出など、国際大会顔負けの演出がありました。



もちろん、チームの方も見どころ満載の魅力十分。
 研究心半端ないエドHCをはじめ、トルコや台湾から海外選手を招へいしているだけでなく、道産子選手の活躍も目覚ましい。
ここが個人的には一番感慨深くて、これまでの北海道のバレーボール界は、北の大地で育んだバレーボール選手たちが、結局最後は活躍の場が故郷にはなく、故郷を離れた所で選手生命を終えなければならない寂しさが、きっと選手本人にも、そしてバレーボール好きが多い北海道民にとってもずっとあったのだと思います。それを打ち破っているのが今見せているヴォレアスの活躍なのではないでしょうか?
 チームは、見事に開幕ホームゲーム2連勝。会場にいた多くの人々が歓喜に包まれていました。個人的には、若くして台湾からヴォレアスに入団した張育陞(チャン・ユー・シェン)選手を観たくて来ました。若さに溢れた躍動感ある動きと、キレのあるサーブやスパイクは目を引くものがりました。かつては日本代表で活躍した古田選手の得点力も健在で、こうやって北海道で、しかも地方都市で、いいものを観れるのはしあわせなことです。



 アイドルやタレントによる観客集めをしなくても、自分たちの創意工夫とともに、自分たちの手でつくり、自分たちの足をかせいで、しかも「バレーボールファースト」を外さず、地元の人々を巻き込むことで、これまで長年日本のバレーボール界が頓挫してきた壁を打ち破ろうとしているのではないでしょうか?現役選手やスタッフのみならず、元選手やOBも盛り上げ役になっているのも印象的でした。
 きっと、私には見えていない、様々な障害や厳しい展望とも戦いながら、マネジメントとプロデュースをしていると思いますが、これからもヴォレアス北海道の取組には注目したいものがありますし、日本のバレーボール界に様々なものを投げかけるインフルエンサーとなってもらいたいと期待しています。(上から目線すみません)

 北海道に住む者として最後に・・・私たち地方遠隔地にいる者としては、東京や名古屋、大坂などの大都市圏に行かないと得られないいろんなものにあこがれてきたことがたくさんあります。見たくても見れない、会いたくても会えない・・・。
 どうか、これからは、北海道外のみなさんが、バレーボールを求めて北海道に足を運んでもらえたら嬉しいです。


(2019年)

2019年7月30日火曜日

とってもすごいビッグニュース

 7月12日(金)から21日(日)までレオン、アグアスカリエンテス(メキシコ)で開催されていた『第20回女子U20(ジュニア)世界選手権大会』で、女子U20日本代表は、決勝戦でイタリアと対戦し、2セットダウンから逆転勝利を収め、世界一に輝きました!
 来年に迫った2020東京オリンピックを前に、日本のバレーボール界では喜ぶべきすごいニュースだと思います。


JVA(日本バレーボール協会)HPトピック

YAHOO!JAPANニュースより

朝日新聞デジタルより

olympic channel より

 U18となるユースよりも、よりシニア近いカテゴリのU20ジュニアでの世界一は、日本のバレーボールの近未来世代の活躍も期待できる明るい材料になるのではないでしょうか?

 ところが・・・テレビでも新聞でも「世界一」があまり大々的には取り上げられていません。今回活躍した選手たちは、高校生時代に「春高バレー」で活躍し注目された選手もいるだろうに、この報道のなさに残念な気持ちがしちゃいます。

 どうしても日本のバレーボールを話題にすると、課題や問題ばかりが話題になってしまいがちな中、U20が世界一をとったという偉業が達成されたことは、暗い話題を吹き飛ばすものになってもおかしくないと思います。
 しかし、世の中の注目度やメディアと日本のバレーボール界の距離感などにも、暗い影を落としているのでしょうか?
 人気低迷とかマイナー化という表現では済まされない大きな問題を抱えていると思います。日本バレーボール界は、組織を挙げてでもこの世界一の偉業を称え、これからの発展の起爆剤にするべく発信や取組をお願いしたいものです。

 選手のみなさん、スタッフのみなさん、本当におめでとうございます。


(2019年)

2019年4月30日火曜日

平成から令和へ バレーボールの今

みなさんおはようございます。
いよいよ、今日が改元の日、時代が平成から令和になりますね。
時間の流れだけで考えたら、大したことではないかもしれませんが、でも新しい天皇の即位とか改元とかって、生きているうちに何度かもあることではないので、記憶に残る日をみんな眼にするんだろうと思います。
個人的なことになってしまいますが、この平成は、自分がバレーボールというものに出会い、そしてその世界に浸かっていくという、自分でも想像できなかった出会いをしていった時代でもあります。

さて、バレーボールをオリンピックの金メダルで見ていくと、

1992年 バルセロナ 男子:ブラジル     女子:キューバ
1996年 アトランタ 男子:オランダ     女子:キューバ
2000年 シドニー  男子:ユーゴスラビア  女子:キューバ
2004年 アテネ   男子:ブラジル     女子:中国
2008年 ペキン   男子:アメリカ     女子:ブラジル
2012年 ロンドン  男子:ロシア      女子:ブラジル
2016年 リオデジャネイロ 男子:ブラジル     女子:中国

となっていきます。
昭和の時代は、日本の名も世界の中で光を放ったこともありますが、平成時代では日本のバレーボールは低迷から抜け出せていないですよね。日本では、平成になる直前にVリーグが設立。プロ化を目指す動きもありつつ、断念を決定して平成の時代を迎えることになります。平成になってから、Vリーグでは、少しずつ著名な外国人選手が日本でプレーすることが出てきて、近年では監督やコーチが外国人であることが普通になってきましたね。


平成元年(1989年)のバレーボール








1992年バルセロナでは、男子予選リーグ、日本対アメリカ戦は、いったん米国の勝利と決まったが、一夜明けて日本の逆転勝利となった出来事は、当時まだバレーボールと出会っていなかった自分でも記憶に残っている出来事です。
 フルセットの熱戦の末、五輪史上初の3連覇を目指す米国の勝ち、とされた試合だったが、国際バレーボール連盟(FIVB)は、翌日に開いた裁定委員会で「第4セットは審判の不手際で負けた」と主張する日本側の抗議を認める異例の裁定を下した。結果、試合は3-1で日本の勝ちとなったが、アメリカの選手たちは次の試合から全員がスキンヘッドで戦うという出来事もありましたね。


1996年アトランタでは、当時世界のバレーのトップに君臨した、名将ベラスコ率いるイタリア男子のスター軍団に、世界を驚かせる平均身長の高さのガリバー軍団と称されたオランダとの激闘が印象に残っています。自分が一番好きな試合の一つです。


平成という時代に間に、西暦2000年代に突入し、世紀も変わり21世紀となりました。2000年代になってからの現代バレーボールは、ブラジル男子の戦術が世界の主流となっていきます。
組織的なブロックや攻撃枚数を増やしたシンクロ攻撃などで、しばらく敵なしだったブラジル男子。そんなトップを走るブラジルをとらえようと、アメリカやロシア、ポーランドやイタリアが挑んでいく構図が見ごたえありました。
中でも、ロンドン五輪決勝での、ロシア対ブラジル戦は、個人的には歴史的な試合だったと思っています。 




 日本における平成から令和への改元という時代の変化は、世界の中では大したことのない出来事かもしれません。しかし、日本では令和になってすぐに、2020年の東京オリンピックが開かれます。
 これからの世界のバレーボール、そして日本のバレーボールはどのような進化、変遷をたどっていくのでしょうね。




(2019年)