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2020年4月4日土曜日

ポーランドへ行ってみた④

2020年2月のポーランド訪問記③

 今回の滞在の仕上げはポーランドのプロリーグ、プルス・リーガの試合観戦。
 スケジュールの関係で滞在先のワルシャワでの試合はなく、この日は首都ワルシャワからバスで2時間弱走ったところにある、地方都市ラドムでの試合。ホームとなるラドムの対戦相手にリーグ首位でアナスタシ監督率いるワルシャワの対戦でした。

 自分なりの滞在のストーリーは、アンダーカテゴリのチームの練習→U18強化の現場の練習→そしてシニアのトップチームの試合・・・という流れで見学することができる中で、何か系統性や取組の方向性を見出せたらと思っていました。
 ポーランドでは、サッカー、バレーボール、スキージャンプの3つが国民的人気スポーツだとか。その中でやはりサッカーの人気が強く、国内の大きい都市にサッカークラブのホーム、バレーボールクラブはサッカーに比べ地方にある比較的小中規模の都市をホームにしてある種の共存を図っているとか。実際、今回行けたラドムという都市も、かつて州の統合以前は州都で栄えていたそうですが、現在は州統合の影響もあり少しさみしい地方都市となっていました。アリーナも日本の小さな町村でも珍しくない普通の体育館でした。ですが、試合は地元ファンを含め、ほぼ満員状態。熱気あふれるサポーターの応援がありました。



(ヨーロッパの街並みを味わいながら少し散策)

さて、試合観戦。やはり老若男女、幅広い年齢層の人々が試合観戦をしていました。
小さなアリーナとはいえ、地方都市での試合でこれくらいお客さんが入るというのは、日本国内のリーグでもそうそうないんじゃないかなと思います。人々は、オラが地元のチームの応援を楽しみにしている空気を感じます。


この日の試合は、①25-19、➁22-25、③25-21、④25-23でセットカウント3-1で、ホームのラドムが勝利。しかも、もつれた展開が多い接戦の中、アウェーのワルシャワの方がリードすることが多い中、ホームチームのラドムが我慢の展開の中から、粘っての逆転勝利。ホームのお客さんも大喜びで、私も近くのおじさんやおばさんとハイタッチやハグを求められちゃいました。
ここでの応援の熱気はなかなか日本では味わえない空気。日本もこうなってほしいなと願うばかりです。


 注目していたゲーム内容ですが、戦い方でいうと、オリジナリティーの対決というかチーム独自の戦術対別の戦術というよりも、双方とも戦い方はどっぷり四つ。というのもブロックシステムも、攻撃のオプションも両チームともむしろ標準化されたものを駆使して、それをいかに組み合わせ発揮させるかの戦いに見えました。
 そして、育成年代の練習で見てきたようなものの延長上、完成形とも言えるようなもので試合が戦われていました。おそらくトップから系統的にアンダーカテゴリに育成や強化策が下ろされているのではないかと推察されます。


 日本では、何とか先生の何とか理論とか、何とか高校何とか大学の何だかシステムと揶揄されることが多いですが、ポーランドに来て見た限りにおいては、そんな極端なゲームやプレーのスタイルはみられないように思います。もちろんここで見られたゲームの内容や駆使されているスタイルは、国際大会でも見られる、今の世界で取り入れられているものを自然に行っている印象です。
 今回は、時間に余裕がなく、短期の滞在でしたが、日本との比較において海外の試合、練習や育成の現場を観ることは大変有意義な財産となります。


(2020年)