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2020年12月20日日曜日

第2回TETSUミーティング202012019 ~日本のバレーボールと技術

【TETSUミーティング】

と題し、
日本バレーボールの未来への探求と挑戦をみんなで語り合うオンライン・ミーティングを開催してみました。
 今回はその第2回目の話題です。


第2回目のテーマは、
日本バレーボールの技術指導のこれからを考える」 という設定で、約30名弱の学生プレーヤーから各カテゴリの指導者、
さらには戦術系ライターやアナリスト、
レフリー(審判)、学者や教員にいたるまで 多岐の領域関わる方々に参加していただきました。

今回のミーティングのイントロダクションとして
私から、日本のバレーボールにおける従来から行われている技術指導について
プレゼンテーションいたしました。

当ブログの過去の記事の内容をもとにした
プレゼンテーションをイントロダクションとし
ディスカッションを始めていきました。
↓ ↓ ↓


それをしなくてもできること


前回、第1回目のミーティングでは、
日本のバレーボールの従来言われてきたところの
技術指導やチーム作りを見直し
近年再検討されてきた知見やグローバルスタンダードに近づく要素
による実践報告をもとにディスカッションしました。

それを受けての第2回目は、従来の日本の技術指導をどう見直すか、
こらからどうあるべき方向に向かわせるかというテーマ設定です。

・オーバーハンドパスは手首を柔らかく使って
・ハンドリングは、キャッチ&リリースの速度を速めて
・スパイクの打点は肘を下げてはならない肘を先に挙げて
・スパイクのジャンプ力を上げるため深く沈みこんで
・セッターは右軸で
・高く飛ぶためにスパイクは真上に跳べ
・とにかく「正面」でボールをとれ(ディグやレセプション)

こんなことを私も指導者駆け出しのころ
さも当たり前のようにようにレクチャー受けましたし
プレーされた方も多くの人は言われたのではないでしょうか?


それで・・・
ディスカッションを始めたのですが、
予定されていた2時間の設定の時間のほとんどは、

「オーバーハンドパス(セット)」についてで終わってしまいました。

それだけ、日本のバレーボール指導において
オーバーハンドパスやセットについては多くの課題があるだけでなく、
オーバーハンドパスの指導論を象徴として
従来の日本のバレーボール指導自体に多くの課題があることが明らかです。

乱暴になっちゃいますが、結論的なことを申し上げると、


この本をみんなちゃんと読んだか?(しっかり読めよ)
ということです。


オーバーハンドによるパスやセットの原理は、

「キャッチ→リリース」の手首のスナップ速度を速めたものではない

「手の形」を同じようにする必要もない



こういった情報だけでも、
ここ昭和から平成にかけて行われてきた
従来の日本のバレーボール指導がいかにアップデートされていないか
明白なはずです。
しかし、実態は、まだまだ従来の指導法が何の根拠や検証もなく
ただ、自分が教わってきた、自分が練習してできたという
経験とその感覚に頼った指導がなされているわけです。

ですから、日本のバレーボール選手そして子供たちは、
オーバーハンドパスが飛びません。キャッチ癖が抜けません。
柔らかい?美しい?オーバーパスができても
ヘイコウトスやクイックのセットができても
いつまでもオープントスやハイセットができない選手が多いです。

そしてこれは指導方法の問題にとどまりません。
日本のレフリー(審判)の判定の考え方やあり方
さらにはその判定に対する日本の指導者の態度
オーバーハンドパスのハンドリングに対する取扱いにおける矛盾
など
問題が複雑に絡み合っているという点にも議論がおよびます。

ハンドリングの反則(キャッチ)に対し
・判断に幅があるグレーゾーンなものなのか?
・グレーゾーンであれば反則に挑戦するようなことを指導していいのか。
・そもそもキャッチと言う反則をジャッジした審判を子どもの前で否定していいのか
・教育的配慮という名のもと、キャッチの反則を見逃していいのか

こういった風土が、技術指導に深刻な影響が与えます。

「オーバーパスは手首の柔らかなスナップで飛ばす」
「そのためのオーバーのハンドリングには筋力が必要」
「小さい子は筋力がないからオーバーは飛ばせない」
「うちのセッターはまだキャッチ気味だから反則とったら試合にならない」
「試合中反則取られ続けてその子が泣いてしまう」
「審判の判定が厳しすぎると文句を言う」
「気を遣って判定を緩める」

こんなことが、日本国中あちこちで発生しているなんて
異常なことだと思います。
そんなことで、日本代表がオリンピックでメダルと獲る日が来るのでしょうか?
(絶対くるはずがない)


 この動画をみて、日本のバレーボール指導に携わる方々は何を思うでしょうか?
 オーバーハンドのハンドリングを持つ持たないと文句言うだけで、
 研究で得られた知見をおさえることなく、誰かが言う謎理論を信じるだけで、
 いっこうにキャッチ癖が残って9M~10M~とハイセットできない選手を量産している間に、日本以外の海外の選手たちはどんどんスキルを上げているわけです。
 レフリーのみなさん、キョウイクテキハイリョという名のもと、ベンチにいる傲慢な指導者に忖度するのは終わりにしましょう。
 そして指導者は、スポーツであるバレーボールを指導する以上、「ルール」や「スポーツマンシップ」、「フェアプレイ精神」を順守すべきです。レフリーがキャッチと判定すればそれがキャッチという反則です。ダメなものはさせない、反則はさせないという「モラル」が欠如しています。
 バレーボール指導者は、よく、教育だの子どもを育てるだの言います。ところがそんな子供の前でハンドリングの判定に文句言ったり、キャッチの反則にわざわざ挑戦するようなことを教えることのどこがキョウイクなのでしょうか?

 一方でレフリーは、その試合がいわゆる「荒れる」ことへの問題意識や対策など目先のことを考えるだけではなく、例えばハンドリングのキャッチの反則に配慮や忖度をすることで、日本の選手たちがどんどん世界の中で遅れをとっていくということこそに「問題意識」をもってもらえたらと思います。
 だから、海外では小中学生などのアンダーカテゴリーでは6人制の全国大会をもたない、またはさほど重視していないわけです。むしろミニバレーや異種目のクロススポーツをさせる中で、時間をかけてバレーボールのスキルアップがより確実になるようにプログラム化しているのです。

 もう、答えは出ているはずです。

・力学などの知見による動作原理(実際何が起こっているのか)
・動作原理が達成されている場合の状態(外からどう見えるのか)
・プレーヤーの手ごたえ・実感(本人はどういう感覚なのか)

これらは、しっかり精査する必要があり
それぞれを互いに検証し合う作業がとても大事なのだと思います。

もう、~先生が言っているから、~高校がやっているから
それをそのまま鵜呑みにしたりコピーする「学び方」から
脱却しなければいけません。
私はそれは学んでいるとは思いません。指導者の怠慢です。

学びの材料はいまや、無料でインターネットからでも収集できます。
そしてディスカッションも誰でもできます。
みなさんでこれからも一緒に学んでいきましょう。
オーバーハンドパスの話題で盛り上がった第2回TETSUミーティング。
ご参加ありがとうございました。
この他にも、
・スパイクとスパイクジャンプについての見方・考え方
・ディフェンス時における構えの影響とあり方
なども話題になり
2次会も深夜までおよびました。

前回の第1回、今回の第2回のミーティングを通して
やはり私が課題意識をもっていたとおりのテーマが明らかになりました

●日本のバレーボール指導者
●何事も「世界」、「グローバル」への意識をもって
●知識理解のアップデート
●日本バレーボールのアンダーカテゴリ

これが、日本のバレーボールの発展における大きな課題です。

今後、月1回を目標に先着20名の募集で
ミーティングを行っていきます。
第3回目は1月の中旬~下旬に行う予定です。
TwitterやFacebookでも発信していますので、
要チェックお願いします。
たくさんのご参加をお待ちしています。
仲間を増やし、動きをつくり、日本のバレーボールの成長にみなさんで参加していけることが願いです。


(2020年)

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