Translate

2020年3月8日日曜日

ポーランドに行ってみた➁


2020年2月のポーランド訪問記➁
とにかく観光よりもバレーボールを観たくて。
しかも、プロ選手よりも、育成の実際を知りたくて。
この日は、ポーランドの首都ワルシャワにある、U18に相当するクラブチーム2つを紹介してもらい、午前・午後に分けて練習を見学してきました。いずれも翌日に大きな大会があるということで、調整練習でしたが、いい刺激をもらえた気がします。

この日の午前は、
KS METRO WARSZAWA というクラブチーム。
比較的最近できたチームらしいですが、現在はこのカテゴリではトップの位置にある強さをもっているようです。

・ボールなしでの体力トレーニング
・ボールを用いたウォーミングアップ
・サーブとレセプション
・レセプションからの攻撃パターンプラクティス
・ゲーム練習(テストマッチ)

といった内容で2時間程度、という内容でした。


特に重点を置いていたように見えたのは、
・ブロック練習
・レセプションからの攻撃パターン
 →セッターから距離のある1stテンポ+レフト+ライトのバックアタック
・3~4人でセッターを回している
というあたりでした。


この日の午後は、
MOS WOLA WARSZAWA というクラブチーム。
こちらは歴史が長いようで、
長年ポーランドのスポーツ、特にバレーボールの選手育成に貢献してきたクラブのようです。多くの代表クラスの選手やコーチも輩出しているようです。


練習の見学の前には、クラブの責任者の方から熱心な説明を受けました。
ポーランドでは、学校単位でやっているバレーボールプログラムがあるようで、日本で言う部活みたいな感じなんでしょうが、それが競技システムの中心ではないようです。
それとは別に、クラブチームがあり、そのクラブチームの中にも、バレーボールに重点を置いた「センター」的な役割をするチームがあるようです。


今回の訪問時期は、ちょうど学校が冬休みに入るのと重なったため、あまり通常のアクティビティを見学できませんでしたが、それでも午後の前半はU18の女子が数名参加し、個人練習をしていました。コーチとの関係もフレンドリーで、楽しく練習を開始するも、後半はスパイクのスイング動作やブロックのステップ練習など、個人練習に特化したクローズドスキルの練習がメインでした。


午後の後半は、U18の男子チームの練習。
こちらは午前のクラブチーム同様の大会直前の調整のためのチームのようで、たくさんの選手が集まって練習をしていました。
 ・ウォーミングアップ
 ・サーブ練習
 ・スパイク練習
 ・レセプションからの攻撃パターンプラティクス
 ・ゲーム練習(テストマッチ)
といった内容でした。

この日の午前と午後で見学できたクラブチームは、ポーランドの中でも強豪チームみたいでしたので、集まって構成している選手たちは、みんな高身長なメンバーでした。
また、セッターは複数人練習しており、ゲームにおけるバックアタックは当たり前のように組み入れています。特にセンターからと、オポジットによるライトからのバックアタックは標準的に行っている印象を受けました。


日本との比較において、
教育システムも違うし文化も違う。スポーツやバレーボールの環境や組織運営も違うので、アンダーカテゴリーやU18などのバレーボールについて、日本とポーランドを比較し、一概に優劣をジャッジはできないかもしれません。
しかし、トップカテゴリからアンダーカテゴリまでの系統性や連携が感じられます。
短時間のお話の中だけでの情報でも、スポーツクラブ、学校スポーツ、それらの中核となるセンタークラブ・・・U18の年代に用意されているバレーボールの場には、それぞれの担う役割とすみ分けがなされているようです。
日本で言う小学生年代U12までは、2人制によるミニバレーをやらせているそうで、6人制でのゲームはやらさていないようです。その代わり2人制のミニバレーは、全国大会もあるそうです。
日本で言う中学生年代になってからは6人制バレーボールへの移行していくみたいで、日本みたいに地区予選や全国大会、選抜大会みたいなものもあるそうです。
ただ、「部活」が競技の主要を占める日本のバレーボールの制度とは違うので、この日の取材だけでは、ポーランドの育成年代の取組の全体像は把握しきれませんでした。
ですが、ポーランドでもいわゆる「勝利至上主義」の弊害や、「保護者のヒートアップ」、「指導者の暴走」は、念頭にあるらしく、それらへの手当ても組織としてのプログラムとして構想に組み込まれているようです。

(続く)



(2020年)

0 件のコメント:

コメントを投稿