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2020年11月29日日曜日

第1回TETSUミーティング20201127 ~日本バレーのアンダーカテゴリと育成を考える

 【TETSUミーティング】

と題し、

日本バレーボールの未来への探求と挑戦をみんなで語り合うオンライン・ミーティングを開催してみました。

 今回はその記念すべき初回、第1回目の話題です。

第1回目のテーマ・話題は、

「日本のバレーボールのアンダーカテゴリと育成」を考える

です。

初回なぜこのようなテーマにしたかというと、
多くの人が願う日本のバレーボールのさらなる発展における
課題や問題点となっている多くが、
小中高校生年代のアンダーカテゴリーにあるのではないかという
仮説とある程度の確信があるからです。

そこで、当ブログの過去の記事の内容をもとにした

プレゼンテーションをイントロダクションとし
ディスカッションを始めていきました。

↓ ↓ ↓

もしもゼロからチームをつくってみたら(2年半の総括)

(バレーボール学会)育成世代におけるこれからのあるべき指導考察


プレゼンテーションでは、従来の日本的なバレーボール指導スタイルから
可能な限りアップデートした長期スパンでの実践例を通して、
それでも確実に子ども(選手)は確実に育つ
ということに共感をいただけたと思います。

また、日本と世界との関係や比較にも話題が及び、
ポーランドの育成システムの実際やカナダの育成プログラムなどが
例として挙がり、日本では行われてないことの中に
日本のアンダーカテゴリの課題解決のヒントになることが
たくさんあることも見えてきた気がします。

●子供たちに何を経験させるのか

 ・バレーボール(スポーツ)を楽しむこと

 ・学び方を学ぶこと

 ・楽しさから学ぶこと

 ・目標やチャレンジに向かう試行錯誤


●楽しませる「有能さ」「関係性」「自律性」

 ・カナダの育成「FUNdamenntal」というビジョン

 ・ケニア女子代表の選手たちのバレーボールへの姿勢

 ・仲間がいる、人から認められる「楽しさ」

 ・上手くなった、できた時の喜びがある「楽しさ」

 ・自分(たち)で決めて主体的にトライする「楽しさ」


●日本に足りない底辺の拡大

 ・競争と選抜強化による選手のふるい落としの現実

 ・アンダーカテゴリで普及していない「リーグ制」の有用性
  (北海道釧路市の中学女子バレー「丹頂リーグ」の実践紹介)

 ・6人制にとらわれない、フレキシブルなアンダーカテゴリーのルールづくり

 ・2on2、3on3(ミニバレー等)などの有用性

 ・「システム」(4-2システムにとらわれない)発達段階の設定


●日本の技術指導への疑問

 ・ディグやレセプションの「正面指導」

 ・オーバーハンドパス、セットの「柔らかいハンドリング指導」

 ・若い年代では世界でも強いが、トップにいくほど世界に勝てない理由

 ・海外のジュニアチームのチャンピオンシップなどではオーバーハンドのキャッチぐせのセットさせることなくアンダーでセットしている


(↓動画はディスカッションになった話題に関係しそうなものを掲載)




 30名を超える参加者による、
 大変濃密なディスカッションや意見交流で、2時間あまりの時間があっという間に過ぎ去りました。ありがとうございました。
 「2次会」も引き続き設定され、深夜までバレーボールを語り合える場となったようです。

 第1回目のTETSUミーティングでは、
 やはり考えていた通りの仮説、
つまり日本のバレーボールの現状か抱える課題や問題の多くが
アンダーカテゴリーの環境や指導風土に起因していること、
そして薄々ではあっても、年々その閉塞感に気付き始めている人が
増えているということも実感できました。
「勝つ喜び」ということがよく言われているわけですが、
極端な話、些細な場面でも
例えばジャンケンで勝っても、トランプのババ抜きで勝っても、
みんな喜べるわけです。
そう考えると、楽しさや喜びはもっともっとたくさん
バレーボールのアンダーカテゴリに提供されなければいけないと思います。

楽しいからやろうとする、やろうとするから学びたいと思う、

学んでいくからスキルアップや成長をしていく

そしてその先に目標達成や勝利という何らかの結果が出る。

日本のバレーボール、特にアンダーカテゴリでは、
指導の「目的」と「目標」の混同や混乱、
「目的」のなさ、「目的」の脆弱さ、
によって、いろんな指導体質となって表出しているのだと思います。


そんな話題にまで至った第1回TETSUミーティング。
ご参加ありがとうございました。
今後、月1回を目標に先着20名の募集で
ミーティングを行っていきます。
第2回目は12月19日(土)20:00~予定です。
TwitterやFacebookでも発信していますので、
要チェックお願いします。
たくさんのご参加をお待ちしています。
仲間を増やし、動きをつくり、日本のバレーボールの成長にみなさんで参加していけることが願いです。


(2020年)

2020年5月3日日曜日

ポーランド滞在記雑感

勢いで、バレーボールを観るために数日間ポーランドに飛び込んでみました。

 私の課題、テーマは、「育成」やその「システム」において、日本にはないものがポーランドにあるかもしれないということ。そしてもう一つは、ともすると、日本のバレーボールの低迷の中にあって、何でもかんでも日本はダメ、海外が素晴らしいという偏った見方ではない、日本のバレーボール界がもつ、潜在的な可能性や良さを見出せないかというものでした。


日本の良さ・・・
 やはり、施設、環境面は圧倒的に恵まれた環境にあると思います。学校をベースに、どの体育館にもバレーボールコートは作れますしボールもあります。学校が中心に少年団や部活動としてチームが存在し、しかも施設使用料や月謝みたいなものはほぼなし。コーチングスタッフも無償でやっている場合が多いです。競技人口も圧倒的に日本の方が多いですし、子供からママさん、年配の方まで、いろんな形のバレーボールスタイルで練習やゲームをしている環境が日本にはあります。またアリーナの設備も圧倒的に日本の方が整っているのは間違いないでしょう。

 日本で提供されるコーチング(指導)は、個々の指導者のバレーボールに注がれる熱意からくる、研究熱心さによるものが大きいです。さほどコーチングを学んだりアップデートできる公の機会が多くない中で、それぞれが自分の経験や人脈を駆使した研究によって、無償に近い中で提供されています。ですから受益者である選手や保護者にとっては、比較低いコストでコーチングを受けることができると思います。


ポーランドを訪問してみて・・・

 たびたび述べさせてもらっているとおり、1970年までは日本とポーランドの男子バレーはともに肩を並べて世界のトップを争いながらも、80年代~2000年代初頭はなかなか世界の頂点には立てていなかった中、ポーランドは近年、世界のトップに返り咲いています。そして日本は低迷を続けてきました。
 ですから、ポーランド国内でのバレーボールに何か日本にはないものがあるのではないか?というのが個人的な関心と仮説的なテーマだったわけです。

・国民的人気スポーツの確立とプロモート

・プロリーグの活性化と改善

・代表強化につなげるための育成

・トップから系統的に構築するアンダーカテゴリの指導システム

・コーチ(指導者)の資格、評価

・競技経験者だけじゃなく、教育、メディカル、運動学・・・多角的な分野との連携

・連盟(協会)の弛まない向上心と改善マインド

・青少年年代への配慮とモチベートの工夫

・他国の情報収集、他国指導者間のセミナーなどでの情報交流

 やはり、長期的な視点に立った、スケールの大きいビジョンと構想、そしてそれを実現すべく大きなくくりで人々を結び付け巻き込んでいく・・・そういったアクションを組織が率先して行う。組織は、代表監督やリーグ指導者の意見を取り入れながら、より良いものを追究していく。こういったものが原動力になっていることを肌で感じることができました。

 ポーランドにおける今やっている育成プログラムやシステムが動き出したのが2000年代に入ってからとのこと。偶然のようで、やはり代表強化のタイミングにも重なるような気もするのです。

 日本は、バレーボールができる空間もあり、バレーボールをやっているプレーヤーも多い。そして選手たちを導こうとするコーチング(指導)をやっている人も多い。

 しかし、残念なことに(批判的になってしまうのが本意ではないが)、個々の熱意や研究心、モチベーションは高いが、そのベクトルや目指すゴールがあまりにもバラバラであり、日本のバレーボールというものが一枚岩になっていないのは明らかな気がします。

 指導内容も体系化されたものがあるわけでもなく、全国でシェアされているシステムがあるわけでもない。個々の指導者、それぞれの学校やチーム、それぞれの都道府県・・・思惑も指導理論も、目指すバリューやビジョンもばらばら。その中で、得てして対立や摩擦を生むことも多い。各カテゴリの間が分断されており、それぞれのカテゴリが独自の進化?迷走を続けている状況が続いているように思えるのです。

 競技(愛好者)人口が多い割には、代表チームやリーグへの関心も高いわけではなく、そこに対する組織のビジョンや熱意もいまいち見えてきにくい。

 こうやって記述していくと、あれもないこれもないという無い物ねだりだったり、ああしろこうしろという他力本願的な中身になってしまうのですが、でも個々の環境でがんばるだけでは、海外には追いつけない状況になっているんじゃないかと思うわけです。

 日本には、他国に比べても、潜在的なアドバンテージや資源や条件がまだまだ残されていると思うわけです。足りないのは、それらをどのように生かし結び付け、コーディネートし組織化するか。ミクロな部分で個別にバラバラ取り組むのではなく、十分研究され練られた構想を同時多発的に日本全国で展開できるか。
 今回のポーランド訪問にあたり、何人かの海外でのプレーでがんばる選手の方とも連絡を取りました。我々が思う以上に、海外でプレーをがんばる、がんばろうとしている日本人が多いのです。そして近年では、日本国内のVリーグにも、海外選手やコーチたちが多くやってきています。
 そういったものを良き資源とし、生かし、積極的に吸収しそれを日本全国に拡散させていく必要性が、組織や指導者、愛好家やファンの中から生まれてくることを期待して止みません。

(2020年)

2020年4月4日土曜日

ポーランドへ行ってみた④

2020年2月のポーランド訪問記③

 今回の滞在の仕上げはポーランドのプロリーグ、プルス・リーガの試合観戦。
 スケジュールの関係で滞在先のワルシャワでの試合はなく、この日は首都ワルシャワからバスで2時間弱走ったところにある、地方都市ラドムでの試合。ホームとなるラドムの対戦相手にリーグ首位でアナスタシ監督率いるワルシャワの対戦でした。

 自分なりの滞在のストーリーは、アンダーカテゴリのチームの練習→U18強化の現場の練習→そしてシニアのトップチームの試合・・・という流れで見学することができる中で、何か系統性や取組の方向性を見出せたらと思っていました。
 ポーランドでは、サッカー、バレーボール、スキージャンプの3つが国民的人気スポーツだとか。その中でやはりサッカーの人気が強く、国内の大きい都市にサッカークラブのホーム、バレーボールクラブはサッカーに比べ地方にある比較的小中規模の都市をホームにしてある種の共存を図っているとか。実際、今回行けたラドムという都市も、かつて州の統合以前は州都で栄えていたそうですが、現在は州統合の影響もあり少しさみしい地方都市となっていました。アリーナも日本の小さな町村でも珍しくない普通の体育館でした。ですが、試合は地元ファンを含め、ほぼ満員状態。熱気あふれるサポーターの応援がありました。



(ヨーロッパの街並みを味わいながら少し散策)

さて、試合観戦。やはり老若男女、幅広い年齢層の人々が試合観戦をしていました。
小さなアリーナとはいえ、地方都市での試合でこれくらいお客さんが入るというのは、日本国内のリーグでもそうそうないんじゃないかなと思います。人々は、オラが地元のチームの応援を楽しみにしている空気を感じます。


この日の試合は、①25-19、➁22-25、③25-21、④25-23でセットカウント3-1で、ホームのラドムが勝利。しかも、もつれた展開が多い接戦の中、アウェーのワルシャワの方がリードすることが多い中、ホームチームのラドムが我慢の展開の中から、粘っての逆転勝利。ホームのお客さんも大喜びで、私も近くのおじさんやおばさんとハイタッチやハグを求められちゃいました。
ここでの応援の熱気はなかなか日本では味わえない空気。日本もこうなってほしいなと願うばかりです。


 注目していたゲーム内容ですが、戦い方でいうと、オリジナリティーの対決というかチーム独自の戦術対別の戦術というよりも、双方とも戦い方はどっぷり四つ。というのもブロックシステムも、攻撃のオプションも両チームともむしろ標準化されたものを駆使して、それをいかに組み合わせ発揮させるかの戦いに見えました。
 そして、育成年代の練習で見てきたようなものの延長上、完成形とも言えるようなもので試合が戦われていました。おそらくトップから系統的にアンダーカテゴリに育成や強化策が下ろされているのではないかと推察されます。


 日本では、何とか先生の何とか理論とか、何とか高校何とか大学の何だかシステムと揶揄されることが多いですが、ポーランドに来て見た限りにおいては、そんな極端なゲームやプレーのスタイルはみられないように思います。もちろんここで見られたゲームの内容や駆使されているスタイルは、国際大会でも見られる、今の世界で取り入れられているものを自然に行っている印象です。
 今回は、時間に余裕がなく、短期の滞在でしたが、日本との比較において海外の試合、練習や育成の現場を観ることは大変有意義な財産となります。


(2020年)

2020年3月22日日曜日

ポーランドへ行ってみた③

2020年2月のポーランド訪問記③

 前日は、首都ワルシャワで活動する、U18のクラブチーム様子を見学し、いわゆるアンダーカテゴリー、育成年代の練習やコーチングの一端を観ることができました。

 ポーランドのバレーボールに関して、予てから私が関心を寄せていたことは、国際的な中での強化の成功と、日本との対比についてです。
ポーランドと日本は、男子バレーにおいて、1970年代に世界のトップを走っていました。ところが1980年代以降、旧ソ連の他に、アメリカやキューバが躍進し、その後イタリアに続いてオランダやユーゴスラビアなどのヨーロッパ勢が台頭します。2000年代はみなさんご存知の通り、ブラジル代表によって現代のバレーボールシステムが確立され世界を牽引してきました。
 ポーランド男子は、そのような情勢の中で2010年前後から世界のトップに返り咲いてきました。
 残念ながらその間、1970年代にはポーランドとともに世界の頂点を争い頂点に立った日本は現在もなお世界に溝を開けられています。ここにはどのような違いがあるのか?そして私の仮説は、特にアンダーカテゴリ、育成年代といわれるような青少年への普及や育成のシステムに、ポーランドと日本に違いあることをこの目で見たかったわけです。

(スパワにあるオリンピックセンターのバレーコート)

ポーランドバレーボールのトレーニングと開発のシステムは、その基礎・土台ともなっているる「スクールバレーボールセンター(SOS)プログラム」と、ポーランドバレーボール連盟が運営するバレーボール専門の「スポーツマスタリースクール」によって支えられているようです。

「SOSプログラム」におけるトレーニングは、地元のクラブで若者をトレーニングするコーチによって運営される、小学校のスポーツクラスに基づいているようです。

 
(「SOSプログラム」に関する資料)

「スポーツマスタリースクール」というのは、いわゆる高校生にあたる年代の、国内からセレクションされた選手が集まり、寮生活をともなった学校生活をしてバレーボールのより専門的な指導を受けるものです。男子はワルシャワの南西にあるスパワで、女子はクラクフの南西にあるシュチルクにある、ナショナルオリンピックセンターで専門スタッフの指導を受けています。そして彼らは、ポーランドリーグの2部に参戦をしています。その中からプロクラブやナショナルチームへの道にもつながります。



 ここに来ると、ポーランドの男子バレーボールの歴史が凝縮されています。多くの選手たちがこの地でトレーニングをしコーチングを受けてきているのがわかります。ここからも、長期的な展望にたって、計画的に選手を育成し、組織的なコーチングをしていることがうかがえます。


 この日の練習は、リーグ戦前日の調整のためのものだったようです。
  ・体力トレーニングをともなったウォーミングアップ
  ・シングルハンド限定のミニゲーム
  ・2対2のフロントコートでのミニゲーム
  ・6対6による、レセプションからのゲーム練習


 ポーランド国内からセレクションされた生徒たちだけあって、メンバーはすべて長身選手。フィジカルもしっかりトレーニングを受けていることがうかがえます。
 バレーボールスキルは、日本の高校生と比較してそれほど驚くようなスキルの高さが顕著というわけではないものの、全員がしっかり基本スキルを身につけています。日本でしばしば見受けられる、長身なのに動きが散漫で守備ができないなどといったことはあまりないようです。


 注目したことが、ゲームにおけるプレースタイルみたいなものに、系統性を感じたということです。前日見てきたクラブチームでやっていたこととも共通性があり、その後見てきたプロチームのプレーにもつながっているようです。これらは、単なるトレンドや指導者の思い付きでやっていることではない、系統的な取組を感じます。実際前日のクラブチームでのプレーよりも、スパワのセレクションチームの方が完成度も高さパワーにも磨きがかかっていました。
・シー アンド リアクト をベースにした組織的なブロック
・センターからのバックアタックが組み込まれいる
・センターからのバックアタックは、アプローチや打つ位置にバリエーションがある
・いわゆるBクイック的なセッターから距離のあるファーストテンポが軸
・オポジットのライトからのバックアタック

このあたりは、意図的なコーチングがされているように思いました。

 練習の最後に、ヘッドコーチから質問をたずねられ、恥ずかしいことに質問に困ってしまい、慌てて「選手の思考力」についてたずねてみました。そうすると、「何を今さら当然だろ!」みたいな返答されてしまいました。
 ゲームにおいて、選手が主体的に自ら考えをもってプレーをすることは当然のことであり、それをここでは教えることではない、というような返答でした。
 むしろ、高度な展開とやろうとする戦術を各々が理解し、その達成のために、場面で瞬時に最適な判断とパフォーマンスの発揮を行うこと、そのための果敢なチャレンジやトライから逃げないこと・・・そういったあたりへの要求があったように思います。
 コーチは、静かに見守ることが多い中、消極的なプレーや原則に反するプレーには即座に強い言葉がけをしていることもあります。それは感情的に怒るといったものではなく、しかしそれでもかなり緊迫感のある場面もあったりしました。
 こういったあたりも、日本での話題や議論がまだまだ未成熟なところもあるように思います。


 お邪魔したスパワのオリンピックセンターは、ワルシャワから車(高速道路)で1時間ちょっとの小さな町の中にあり、スパワの帰りからワルシャワに入った郊外にある、ポーランド連盟のオフィスに幸運なことにお邪魔することができました。


 今回お世話になった連盟のスタッフの方とお話していると、とにかく「ポーランドはまだまだ」、「ポーランドはこのままではいけない」といった言葉がよく聞かれ、現状に満足してはいけないという気概を感じます。
 ポーランドリーグの活性化や国際大会の開催などを通して、ポーランドは成長を遂げつつ、ここ10年間は育成プログラムの整備にも着手しました。2000年代当初活躍した選手たちの多くが指導者となり活躍しているようです。また、データーソフトの自国開発にも挑戦しています。また、海外との交流も大事にしており、そこでの情報交換やノウハウの交流も成功の一因につながっているようです。
 特にヨーロッパでは、各国・各地で、コーチたちのクリニックやレクチャーなどが多く開かれているようで、それらを通した交流や切磋琢磨も成長の大きな要因になっているようです。

 ポーランド連盟のオフィスに入って驚いた光景に出くわしました。オフィス内のドアに何やら、漢字の張り紙があったのです。そこには「改善」と書かれていました。


 これは、なんと、ポーランド代表監督のヘイネンが、ポーランドでものすごく強調している言葉なのだそうです。この「改善」という言葉は、世界の中で自動車生産のリードする日本の企業理念、組織理念の考え方が、世界中に広まっているなかで、ヘイネンも大事にしている言葉なのだそうです。
 最後には、ポーランドバレーボールの会長室にも入れてもらい、会長と面会もできました。会長室には、東京オリンピック出場権を得た試合後の際に使われた、ダルマが飾られていました。


 日本のバレーボールが、ポーランドをはじめ、他国から謙虚に学ぶべきことはたくさんありそうです。(連盟のHPでしょうかいしてもらえました)



(2020年)

2020年3月8日日曜日

ポーランドに行ってみた➁


2020年2月のポーランド訪問記➁
とにかく観光よりもバレーボールを観たくて。
しかも、プロ選手よりも、育成の実際を知りたくて。
この日は、ポーランドの首都ワルシャワにある、U18に相当するクラブチーム2つを紹介してもらい、午前・午後に分けて練習を見学してきました。いずれも翌日に大きな大会があるということで、調整練習でしたが、いい刺激をもらえた気がします。

この日の午前は、
KS METRO WARSZAWA というクラブチーム。
比較的最近できたチームらしいですが、現在はこのカテゴリではトップの位置にある強さをもっているようです。

・ボールなしでの体力トレーニング
・ボールを用いたウォーミングアップ
・サーブとレセプション
・レセプションからの攻撃パターンプラクティス
・ゲーム練習(テストマッチ)

といった内容で2時間程度、という内容でした。


特に重点を置いていたように見えたのは、
・ブロック練習
・レセプションからの攻撃パターン
 →セッターから距離のある1stテンポ+レフト+ライトのバックアタック
・3~4人でセッターを回している
というあたりでした。


この日の午後は、
MOS WOLA WARSZAWA というクラブチーム。
こちらは歴史が長いようで、
長年ポーランドのスポーツ、特にバレーボールの選手育成に貢献してきたクラブのようです。多くの代表クラスの選手やコーチも輩出しているようです。


練習の見学の前には、クラブの責任者の方から熱心な説明を受けました。
ポーランドでは、学校単位でやっているバレーボールプログラムがあるようで、日本で言う部活みたいな感じなんでしょうが、それが競技システムの中心ではないようです。
それとは別に、クラブチームがあり、そのクラブチームの中にも、バレーボールに重点を置いた「センター」的な役割をするチームがあるようです。


今回の訪問時期は、ちょうど学校が冬休みに入るのと重なったため、あまり通常のアクティビティを見学できませんでしたが、それでも午後の前半はU18の女子が数名参加し、個人練習をしていました。コーチとの関係もフレンドリーで、楽しく練習を開始するも、後半はスパイクのスイング動作やブロックのステップ練習など、個人練習に特化したクローズドスキルの練習がメインでした。


午後の後半は、U18の男子チームの練習。
こちらは午前のクラブチーム同様の大会直前の調整のためのチームのようで、たくさんの選手が集まって練習をしていました。
 ・ウォーミングアップ
 ・サーブ練習
 ・スパイク練習
 ・レセプションからの攻撃パターンプラティクス
 ・ゲーム練習(テストマッチ)
といった内容でした。

この日の午前と午後で見学できたクラブチームは、ポーランドの中でも強豪チームみたいでしたので、集まって構成している選手たちは、みんな高身長なメンバーでした。
また、セッターは複数人練習しており、ゲームにおけるバックアタックは当たり前のように組み入れています。特にセンターからと、オポジットによるライトからのバックアタックは標準的に行っている印象を受けました。


日本との比較において、
教育システムも違うし文化も違う。スポーツやバレーボールの環境や組織運営も違うので、アンダーカテゴリーやU18などのバレーボールについて、日本とポーランドを比較し、一概に優劣をジャッジはできないかもしれません。
しかし、トップカテゴリからアンダーカテゴリまでの系統性や連携が感じられます。
短時間のお話の中だけでの情報でも、スポーツクラブ、学校スポーツ、それらの中核となるセンタークラブ・・・U18の年代に用意されているバレーボールの場には、それぞれの担う役割とすみ分けがなされているようです。
日本で言う小学生年代U12までは、2人制によるミニバレーをやらせているそうで、6人制でのゲームはやらさていないようです。その代わり2人制のミニバレーは、全国大会もあるそうです。
日本で言う中学生年代になってからは6人制バレーボールへの移行していくみたいで、日本みたいに地区予選や全国大会、選抜大会みたいなものもあるそうです。
ただ、「部活」が競技の主要を占める日本のバレーボールの制度とは違うので、この日の取材だけでは、ポーランドの育成年代の取組の全体像は把握しきれませんでした。
ですが、ポーランドでもいわゆる「勝利至上主義」の弊害や、「保護者のヒートアップ」、「指導者の暴走」は、念頭にあるらしく、それらへの手当ても組織としてのプログラムとして構想に組み込まれているようです。

(続く)



(2020年)

2020年2月23日日曜日

ポーランドに行ってみた①

2020年2月。
わずかな日程ではありましたが、ポーランドに行く機会がありました。
その数か月前にバレーボールを介して知り合った知人から、年明け新年早々に連絡があり、ポーランドに行くから一緒にどうか?とのお誘いを受け、時間もお金もなく迷った末、こんな機会も滅多にないだろうと、勢いで行くことを決断。しかし、海外に行くことに慣れていることもあろうはずがなく、不安だらけの旅となりました。


 私がずっと抱いていた夢の1つに、バレーボールを学ぶことを目的に旅をするということがありました。これまで、日本国内はそれなりにバレーボールのおかげで旅をさせてもらえたので、いつかは異国の地を訪ねてみたい・・・。しかし自分のキャリアには実績も地位もコネクションもないので、あきらめみたいなものもあったのは事実で、自分みたいなのが海外だの、外国だの言うのは・・・という引け目もあったのですが、そんなことははかったです。行ってよかったです。



(ポーランド・アソシエーションのオフィス外観)

(ポーランド・アソシエーションのロビー)

 ポーランドは、今バレーボールの強豪国として注目されており、古くは1970年代に、当時の日本と並んで世界の男子バレーのトップにあり、2010年代になってから再び世界のトップに立ちだしています。個人的には、男子バレーでは日本と同じような歩み・・・つまりは70年代に一度栄光をつかんで以来、約30年以上は他国の背中を追う中、ポーランドは日本を尻目に世界のトップに返り咲いたことに関心がありました。そしてその要因には、外からは見えない強化や育成の仕組みがあるのではないかと考えていました。
 今回の旅は、日本人の知人以外に、ポーランド・アソシエーションのスタッフの方にも現地コーディネートで多大な協力を得て、育成年代からトップカテゴリの様子までを見ることができました。


(ポーランドのプロリーグ「Plus・Liga」の試合 ラドムVSワルシャワ)

 観光はほとんど設定せず、隙間の時間で、宿泊していたワルシャワを散策。旧市街を観たり、おいしいグルメや買い物ができました。ポーランドの食事は、日本人にはとても合うんじゃないかと思います。どれも美味しかったです。










それでは、ポーランドのバレーボール視察記の詳細は、また別の記事にてご報告します。


(2020年)

2019年12月31日火曜日

「育成」とは何かを問いかけ(2019年をしめくくる)

 2019年が終わります。みなさんにとってどのような1年となったでしょうか?
私もとある方から「どのような1年でしたか?」と問いかけられた時、「バレーボールでは・・・」と正直言葉がつまってしまいました。お恥ずかしい限り、その時は周囲に自慢できる成果などないなと考えてしまいた。
 でも、バレーボール以外での仕事では自分はたくさんのチャレンジや成果があって充実していたし、バレーボールでも決して周囲からは見てもらえない小さな学びや自信となった経験もあったし、人との出会いもありました。
 そんなことを、言ったら「それが大事。小さな幸せを誇れることが一番」と言われました。さて、みなさんの2019年はいかがでしたでしょうか?
2019年のバレーボールでは、個人的には
 ① 日本代表男子チームの活躍と希望ある展望
 ➁ Vリーグの各カテゴリの盛り上がり
 ③ バレーボールファンの多様なつながりや交流
 ④ メディアが発信するバレーボール情報の進化
などが、これまでにない変化がみられたような気がします。

私は、このブログでも平成が終わり令和という新しい時代を迎えるにあたり、日本のバレーボールでももう一度「育成」を見つめなおそうというのが、今年のスタートにあたってのテーマでした。しかし、残念ながら、①~④で取り上げたような材料に比べると、あまり大きな変容を感じられなかったというのが正直な感想です。

 新年2020年はオリンピック・イヤー。しかも私たちの国日本で開催されます。来年の東京五輪での成果も大事ですが、それ以上に五輪後どのように発展させていくかの方が重要だとも言われていますし、海外ではもうそこに着手している国もあるようです。そこでバレーボールを考えるブログとして2019年の締めくくりは、「育成」をもう一度みなさんと考えてみたいわけです。



「育成」を考えるうえで、

「バレーボールでみんながハッピーになる」

というのが大事だと思うわけです。
する・みる・支える・・・大人も子供もどの地域やカテゴリも・・・
みんながバレーボールでハッピーな気持ちになれるかどうか。
それが「育成」の成否の根本として重要なのではないかと思った1年でした。

勝利や成功で得られる喜びや幸せがある。
タイトルやステージアップで得られる喜びや幸せがある。
人との出会いの喜びがある。
新しいことを知った学んだ喜びがある。
いろいろあろうかと思います。
でも、そのような喜びは幸せは、「すべての人」にもたらされなければならないと思います。
 高みを極めた一部の人々だけが幸せになり、それ以外の人々は幸福な気持ちになれないようではいけないと思うわけです。でも勝ち負けはスポーツや競技をやる以上は生じてくるわけですから、「すべての人がハッピーになる」というのは、別のコンセプトや価値観が必要になるんだと思います。
 よく指導現場では、対戦相手を敵と呼んだり、目標設定を相手を倒すなどという表現をするのをみかけます。そんなコンセプトでは「バレーボールですべての人が幸せになる」という状態はいつまでも達成できないんだと思います。
 ファンの間では、戦術、選手個人の為人、国内・海外・・・など、人々の志向の違いが話題になることもあり、時には意見が対立することも見受けられてきました。
 対立というのはゼロにはできませんが、それでも共存やコラボレーション、相互理解などで、すべての人がハッピーになる余地というのは、まだまだたくさんあると思うわけです。



バレーボールにおける「育成」に話を戻します。

「育成」という言葉が使われる場合にもそのニュアンスや定義には様々な違いあると思っています。例えば代表チームや国内リーグなどにおける選手の「育成」は、ある程度セレクトされたスキルや経験のある一定レベル以上の人々を対象としています。私はこれは、「強化的育成」と呼ぶか、育成とは呼ばない方がいいのではないかと考えます。

 私がここで言うところの「育成」とは、子どもたち・・・つまりは学齢期(高校生くらいまで)をターゲットとして、しかも「彼らのすべて」を指す概念として考えています。
 先ほど申し上げた通り、2019年の日本のバレーボールでは「育成」の議論やイノベーションは不十分だったと感じています。率直に言えばあまり変容や進歩は感じられませんでした。

「楽しむ」・「尊重」・「探究」

この辺りが、バレーボールにおける「育成」の取りかかりとなる要素になってくると思います。そこに「すべての子どもたち」を掛け合わせていきますと・・・。やるべきことや取り組む余地は膨大なものになるのではないでしょうか?
 
 日本では、これからの教育の大きなテーマの中に、「主体的・対話的で深い学び」というものが掲げられています。
 このテーマは、実は日本のバレーボールの指導現場にも通じる課題なのではないかと思います。
 「主体的」、「対話」、「深い学び」・・・どの言葉もその解釈や理解は一言では説明しきれないものだとは思います。
 子どもたちの「主体性」はどうやって生まれてくるのか?
 一見、自立し統率されているようなチームでも、その根元は指導者や保護者の意向や思惑によって仕向けられていることが多く、それは「やっている」より、「やらされている」側面が強いわけです。一生懸命やっているようで、実は一生懸命やらされているわけです。これでは主体性があるとは言い難いわけです。
 子どもたちにとっての「対話」とは何か?
 対話には、「他者との対話」と「自己との対話」があります。
 他者との対話では、相手への敬意や相手から吸収しようという姿勢が重要です。いくら礼儀正しくとも、相手の考えを理解できない思考力の浅さや、建設的なディスカッション能力ができなければ、他者との対話は成立しません。
 「対話」で見落としがちになりやすいのが「自己との対話」だと思っています。自分のことを振り返って、思考や感情を整えたり、自分へフィードバックをして学習を促進させたりなど、試行錯誤や工夫という作業を成立させるためには不可欠な要素です。
 「深い学び」とは何をもって達成されるのか?
 それは新しい気づきや発見はもちろん、仮に新しい成果や知見がもてなくても、自分自身で仮説や検証をし、一定の方向性を見出す「プロセスを経験する」ことで学びを深めることになるんだろうと思います。

「育成」において、
「すべての人々(子どもたち)がハッピーになる」
ことを実現させる。
試合で勝った者たちだけが幸福感を得て、そうでない者たちは幸せになれない。
選ばれた者だけが幸せになり、選ばれない者たちはハッピーになれない。
キャリアやステータスを得たものが幸せで、そうでない者は不遇を味わう。
これが根深い日本のバレーボール界の育成における課題なんだと思っています。

「楽しむ」・「尊重」・「探究」

ここに、「主体的」・「対話」・「深い学び」が結びつくと思います。

同じことをやっていても、夢中でどんどんチャレンジし続ける人もいれば、必死に苦しみながらやらされている人もいる。
自分の中に起こるイノベーションを求め、貪欲に吸収しようとスクラップ&ビルドを重ね試行錯誤の中から最適解を探る人もいれば、絶対解を信じ他の可能性を排除しながら突き進む人もいる。
(成長欲求という)自分のためにチャレンジし続ける人もいれば、自分の承認的存在意義を守るため他者を標的にしてマウントをしてくる人もいる。

でも、普遍的なのは、他人の幸福を誰かが奪うことがあってはならないことです。そして人のチャンスや可能性を潰していいということにはならないということです。
 今一度、日本のバレーボールにおける「育成」をみなさんと考え、イノベーションを起こしたいというのが夢です。
 すべての子どもたちが、大きな夢や目標に向かって、生き生きとバレーボールを生活の一部にすることができる。そこに線引きも選別もなく共有されるべき、コンセプトやビジョン、フィロソフィーやバリューがあるはずです。



 お恥ずかしい話、私は、友人とボーリングやカラオケ、ゲームセンターに行くのが昔から好きじゃありませんでした。なぜなら、「下手な自分」に対するコンプレックスが強く、楽しめなかったからです。でも、周囲はそんな上手下手に関係なくみんな「楽しむ」ことを目的としていますよね。

 バレーボールのプレーや結果というのは、因果関係が複雑に絡み合って形成されます。そしてミスが起こって当たり前のスポーツ。プレー中はミスをしたあとに、いかにして素早く次のプレーの意識を切り替えるかが重要。そのあとで、なぜミスをしたか、どうすれば同じミスを繰り返さないかを振り返り考えることを怠らないことで、次へのモチベーションへとつなげます。これはバレーボールに限らず、どのスポーツに限らず、人間生活の作業として必要な営みですよね。

 (大人への)お茶出しやあいさつで気が利く選手は試合中のプレーにも生きると言われて指導(教育)されていることも多い(自分もやらせていた時代がある)ですが、そもそもバレーボールというゲームの中の「気づき」を生み出すためには、バレーボールの中の情報や知識がないと気づきにならないわけです。だから、バレーボールの試行錯誤や主体的な工夫をしないまま、他の生活場面での気づきばかりを求めても、バレーボール選手としてのレベルアップには限界がくる。

 すべての子どもたちが、またはすべての大人たちが、
「バレーボールと出会ってよかった」、「バレーボールをやってよかった」
 そうなるために、
 それぞれの「今」やっているプロセスが「夢中」で「楽しい」状態であること。自分が考えていることを表現しても非難されて評価を下げられず自分の立場が脅かされない心理的安全があること。いいものをつくりあげていくために、膨大な時間をかけて試行錯誤を確保でき失敗が許される安心してチャレンジできること。
 こういったことを、バレーボールを通して経験していくことで、ある者はアスリートとして、ある者はコーチやティーチャーとして、ある者はマネジメントやビジネスとして、ある者は親として・・・とにかくあらゆる社会や人生のステージで、生かされていく。これが、「すべての人々がハッピーになる」ということに通ずるんだと思います。

 何かの試練を乗り越え生き残った者たち、勝ち続け成功のレールだけを進んできた者たち、過去のキャリアやステータスを得た者たち・・・一部の人間だけのための幸福だけではなく、「すべての人々・すべての子どもたちに」にバレーボールは何ができるか?
 これが「育成」だと思います。

 いよいよ来年は東京五輪があります。日本代表男女の活躍はもちろん、私たちが住む国で、世界のバレーボールの「ガチ勝負」を観ることができることへの期待感をもちながら、同時に日本のバレーボールのさらなる発展やイノベーションの元年となる1年になればいいなと願います。

 みなさん、今年も1年間お付き合いいただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。

Thank you very much for your personal relationship that you extended to me throughout 2020.


(2019年)

2019年11月4日月曜日

「バレーボール」の手前にある大事な物(ヴォレアス北海道)

2019/11/02~ バレーボール「Vリーグ」(DIVISION2)

 ヴォレアス北海道の開幕戦そしてホームゲームとなる試合を旭川に行って2日間観戦してきました。札幌からは高速道路を車で走らせること2時間くらいかかる距離です。
チーム設立までの変遷やチーム設立後の過程など、同じ北海道に居て知っていることもありましたが、直に眼にはしてこなかったので、思い切って行ってみようと思いました。
正直、いろんな意味で感服、感動することが多く、大いに楽しめる空間を過ごすことができました。
【公式】VOREAS HOKKAIDO(ヴォレアス北海道)OFFICIAL WEBSITE
https://voreas.co.jp/

ヴォレアス北海道公式ツイッター
https://twitter.com/voreas_official

 自分が勝手に観て思ったことなので、ひょっとしたらチーム関係者の思いや意図するところとは外れているかも知れませんが、今回の現地旭川でのヴォレアス北海道のホームゲームから感じたことを記録しておくことが、これからの日本のバレーボールにはいろいろ有益になるだろうと考えます。

「バレーボールの普及と発展」、「バレーボールファンの拡大」、「バレーボールの面白さを知ってもらう」・・・。そして、「くくり」、「ファン層」、「○○推し」、「○○ヲタ」・・・。
 そういったバレーボールに関する様々なテーマや、人々の区分などを超えた何かが、そういったものを超えた人々を巻き込んでいく工夫や努力がいろいろ北海道旭川のヴォレアス北海道にはあるんだと思いました。

 何といえばよいのか・・・思考の転換、発想の転換みたいなものを個人的には感じたのです。問題指向型アプローチなマネジメントではなく、目標指向型アプローチ的なマネジメントとでも言ったらよいのか。それとも減点法的プランではなく、加点加算的プランニングというか。
つまりは、日本のバレーボール界は、組織も各チームでも、これまでもそれなりに、競技人口の減少やファンの減少、競技成績の低迷などに危機感をもち、アクションを起こそうとはしたのです。しかしそれらの多くはことごとく頓挫してきています。その多くの事例は、あれは無理だの、これは合わないだの、お金がないだの、チャレンジをさせる間もなく、「できない理由」ばかりを論じてきたのが大きな要因の一つだと思っています。

 ファンが少ないから増やしたい、バレーボールへの関心が弱いから関心を高めたい・・・。そういった問題指向的なアプローチではなく、地域にバレーボールというものを広めようとする中で、まずはダイレクトにバレーボールにつながる効果を考える前に、バレーボールというものを「きっかけ」または「媒体」として、いろんな立場の人々を、一つの空間に集め、そして繋ぎとめる・・・。「バレーボールの手前にある」人々のつながりを模索する中で、バレーボールがそのシナプス(つなぎとめるもの)となって、結果、バレーボールという空間や世界を人々がシェアしていくという発想を感じ取れたわけです。どうやったらバレーボールやチームに関心を寄せてもらうか?の前に、バレーボールという空間で、「あんなこともできるのでは」、「こんなこともやってみたい」・・・そういうものの積み重ねの上に、結果的にバレーボールが人々によって盛り上げられる、目標指向的なアプローチによる発想や、「まずはやれることからやってやる」という加点加算的なチャレンジが、ホームゲーム会場の随所に見られたわけです。


会場のレイアウトは、チームカラーや選手を大々的に表現されていて、否応なしにホームゲームの雰囲気ができあがっています。


グッズも買いたくなるようなデザインに凝ったものが多く、生産側とのタイアップやコラボレーションも考えられていて、商業的にもwin-winの構築を模索しているように見えます。グッズ以外にも飲食店ブースもあって、バレーボールの試合を食べ飲みしながら楽しめるようになっています。これらの購入には、キャッシュレス化を取り入れており、かなり先進的なものを感じます。


子供たちの活躍も印象的です。ダンスとバレーボールを融合して、子供たちがダンスを通して、バレーボールの世界やヴォレアスというチームの魅力にも引き込んでいるのがわかりました。子供たちの活躍は、彼らを見守る多くの大人にも波及していきます。こうして気付けば子供から大人まで、商業関係者からスポーツ関係者までが、バレーボールの空間に集うようになっています。


DJ、MCの軽快なアナウンスは、しつこ過ぎず、しかもバレーボールや選手ファースト。あくまでもバレーボールの醍醐味を伝えるという基本線をはずさない演出が、安心してバレーボールの試合観戦を楽しめる雰囲気になっています。BGMも老若男女みんながカッコいいと思える曲をチョイスし、会場の一体感とホームの特別感を演出しています。
場内にはスクリーンが設置され、選手達が出演する観戦案内や、カッコいい選手紹介、そして試合の実況映像や、会場のファンを映し出す演出など、国際大会顔負けの演出がありました。



もちろん、チームの方も見どころ満載の魅力十分。
 研究心半端ないエドHCをはじめ、トルコや台湾から海外選手を招へいしているだけでなく、道産子選手の活躍も目覚ましい。
ここが個人的には一番感慨深くて、これまでの北海道のバレーボール界は、北の大地で育んだバレーボール選手たちが、結局最後は活躍の場が故郷にはなく、故郷を離れた所で選手生命を終えなければならない寂しさが、きっと選手本人にも、そしてバレーボール好きが多い北海道民にとってもずっとあったのだと思います。それを打ち破っているのが今見せているヴォレアスの活躍なのではないでしょうか?
 チームは、見事に開幕ホームゲーム2連勝。会場にいた多くの人々が歓喜に包まれていました。個人的には、若くして台湾からヴォレアスに入団した張育陞(チャン・ユー・シェン)選手を観たくて来ました。若さに溢れた躍動感ある動きと、キレのあるサーブやスパイクは目を引くものがりました。かつては日本代表で活躍した古田選手の得点力も健在で、こうやって北海道で、しかも地方都市で、いいものを観れるのはしあわせなことです。



 アイドルやタレントによる観客集めをしなくても、自分たちの創意工夫とともに、自分たちの手でつくり、自分たちの足をかせいで、しかも「バレーボールファースト」を外さず、地元の人々を巻き込むことで、これまで長年日本のバレーボール界が頓挫してきた壁を打ち破ろうとしているのではないでしょうか?現役選手やスタッフのみならず、元選手やOBも盛り上げ役になっているのも印象的でした。
 きっと、私には見えていない、様々な障害や厳しい展望とも戦いながら、マネジメントとプロデュースをしていると思いますが、これからもヴォレアス北海道の取組には注目したいものがありますし、日本のバレーボール界に様々なものを投げかけるインフルエンサーとなってもらいたいと期待しています。(上から目線すみません)

 北海道に住む者として最後に・・・私たち地方遠隔地にいる者としては、東京や名古屋、大坂などの大都市圏に行かないと得られないいろんなものにあこがれてきたことがたくさんあります。見たくても見れない、会いたくても会えない・・・。
 どうか、これからは、北海道外のみなさんが、バレーボールを求めて北海道に足を運んでもらえたら嬉しいです。


(2019年)

2019年7月30日火曜日

とってもすごいビッグニュース

 7月12日(金)から21日(日)までレオン、アグアスカリエンテス(メキシコ)で開催されていた『第20回女子U20(ジュニア)世界選手権大会』で、女子U20日本代表は、決勝戦でイタリアと対戦し、2セットダウンから逆転勝利を収め、世界一に輝きました!
 来年に迫った2020東京オリンピックを前に、日本のバレーボール界では喜ぶべきすごいニュースだと思います。


JVA(日本バレーボール協会)HPトピック

YAHOO!JAPANニュースより

朝日新聞デジタルより

olympic channel より

 U18となるユースよりも、よりシニア近いカテゴリのU20ジュニアでの世界一は、日本のバレーボールの近未来世代の活躍も期待できる明るい材料になるのではないでしょうか?

 ところが・・・テレビでも新聞でも「世界一」があまり大々的には取り上げられていません。今回活躍した選手たちは、高校生時代に「春高バレー」で活躍し注目された選手もいるだろうに、この報道のなさに残念な気持ちがしちゃいます。

 どうしても日本のバレーボールを話題にすると、課題や問題ばかりが話題になってしまいがちな中、U20が世界一をとったという偉業が達成されたことは、暗い話題を吹き飛ばすものになってもおかしくないと思います。
 しかし、世の中の注目度やメディアと日本のバレーボール界の距離感などにも、暗い影を落としているのでしょうか?
 人気低迷とかマイナー化という表現では済まされない大きな問題を抱えていると思います。日本バレーボール界は、組織を挙げてでもこの世界一の偉業を称え、これからの発展の起爆剤にするべく発信や取組をお願いしたいものです。

 選手のみなさん、スタッフのみなさん、本当におめでとうございます。


(2019年)

2019年4月30日火曜日

平成から令和へ バレーボールの今

みなさんおはようございます。
いよいよ、今日が改元の日、時代が平成から令和になりますね。
時間の流れだけで考えたら、大したことではないかもしれませんが、でも新しい天皇の即位とか改元とかって、生きているうちに何度かもあることではないので、記憶に残る日をみんな眼にするんだろうと思います。
個人的なことになってしまいますが、この平成は、自分がバレーボールというものに出会い、そしてその世界に浸かっていくという、自分でも想像できなかった出会いをしていった時代でもあります。

さて、バレーボールをオリンピックの金メダルで見ていくと、

1992年 バルセロナ 男子:ブラジル     女子:キューバ
1996年 アトランタ 男子:オランダ     女子:キューバ
2000年 シドニー  男子:ユーゴスラビア  女子:キューバ
2004年 アテネ   男子:ブラジル     女子:中国
2008年 ペキン   男子:アメリカ     女子:ブラジル
2012年 ロンドン  男子:ロシア      女子:ブラジル
2016年 リオデジャネイロ 男子:ブラジル     女子:中国

となっていきます。
昭和の時代は、日本の名も世界の中で光を放ったこともありますが、平成時代では日本のバレーボールは低迷から抜け出せていないですよね。日本では、平成になる直前にVリーグが設立。プロ化を目指す動きもありつつ、断念を決定して平成の時代を迎えることになります。平成になってから、Vリーグでは、少しずつ著名な外国人選手が日本でプレーすることが出てきて、近年では監督やコーチが外国人であることが普通になってきましたね。


平成元年(1989年)のバレーボール








1992年バルセロナでは、男子予選リーグ、日本対アメリカ戦は、いったん米国の勝利と決まったが、一夜明けて日本の逆転勝利となった出来事は、当時まだバレーボールと出会っていなかった自分でも記憶に残っている出来事です。
 フルセットの熱戦の末、五輪史上初の3連覇を目指す米国の勝ち、とされた試合だったが、国際バレーボール連盟(FIVB)は、翌日に開いた裁定委員会で「第4セットは審判の不手際で負けた」と主張する日本側の抗議を認める異例の裁定を下した。結果、試合は3-1で日本の勝ちとなったが、アメリカの選手たちは次の試合から全員がスキンヘッドで戦うという出来事もありましたね。


1996年アトランタでは、当時世界のバレーのトップに君臨した、名将ベラスコ率いるイタリア男子のスター軍団に、世界を驚かせる平均身長の高さのガリバー軍団と称されたオランダとの激闘が印象に残っています。自分が一番好きな試合の一つです。


平成という時代に間に、西暦2000年代に突入し、世紀も変わり21世紀となりました。2000年代になってからの現代バレーボールは、ブラジル男子の戦術が世界の主流となっていきます。
組織的なブロックや攻撃枚数を増やしたシンクロ攻撃などで、しばらく敵なしだったブラジル男子。そんなトップを走るブラジルをとらえようと、アメリカやロシア、ポーランドやイタリアが挑んでいく構図が見ごたえありました。
中でも、ロンドン五輪決勝での、ロシア対ブラジル戦は、個人的には歴史的な試合だったと思っています。 




 日本における平成から令和への改元という時代の変化は、世界の中では大したことのない出来事かもしれません。しかし、日本では令和になってすぐに、2020年の東京オリンピックが開かれます。
 これからの世界のバレーボール、そして日本のバレーボールはどのような進化、変遷をたどっていくのでしょうね。




(2019年)

2018年12月30日日曜日

2019年を「バレーボール育成元年」に。「育成の世界標準」の議論を。

 2010年の世界バレーで、日本代表女子チームが32年ぶりの銅メダルを獲得したあとから、日本のバレーボールの中でも技術や戦術の「世界標準とは何か?」という議論が起こるようになりました。
 当時から、世界のバレーボールをリードしてきた、ブラジル男子のバレーボール戦術をアップデート例として、セッターからのバックアタックのバリエーションやブロック戦術、そしてその中で果たすべきセッターやリベロの機能など・・・日本ではそれらを「世界標準」として考えられるようになってきました。
 2000年代に入ってからは、そのようなシステムはブラジルの専売特許のようにしばらくはブラジル男子が世界の先頭を走ってきたわけですが、やはり次第に他の台頭国の出現がみられるようになります。アメリカ男子やロシア男子・・・近年ではポーランド男子なども力をつけており、どの国も2000年代初頭のブラジルがやっていたゲームのエッセンスを標準装備し、戦っているのがわかります。
   
 日本でなれるようになった「世界標準」というテーマのもとでの議論は、80年代、90年代、2000年代初頭にわたる、日本のバレーボールの戦術のガラパゴス化ともいえる、世界の戦術の変遷やアップデートに追いていない状況とそれに比例するように国際的成績の低迷の中で、ようやく小さな一歩を生み出したのだと思います。その間、バックアタックというものが積極的行われるようになりパイプ攻撃もみられるようになってきました。クイック攻撃は時短的なセットアップ(はやいひくい)よりも、スパイカーのパフォーマンスの最大発揮を重視したものへと変わりつつあり、ブロックもようやく「リード・ブロック」を取り入れようとしている状況になっています。また、ブロック戦術に対抗するために、攻撃枚数の確保が必要となり、セッターへの返球であるファーストタッチも高くゆったりしたものが多くなってきました。

 しかし、その「一歩」というは、海外のそれと比較すれば、極めて小さすぎる一歩と言えるし、次の一歩またその先の一歩とはなかなか進みにくい、スピード感のなさも感じられます。「世界標準」という看板は、それ自体掲げている時点で遅れ感がにじみ出ているのですが、残念ながら、海外はもはや「標準」と言わなくても実践している「当たり前化」した状況になっています。情報技術はこの20年間で劇的に変わり、世界中どこでもリアルタイムでしかも映像での情報を入手することができます。バレーボールでも「データ」や「動作解析」などをコンピューターの力で処理できるようになってきます。
 ですから、国際的な、「情報戦」は激しくなる一方で、それは戦術のスカウティングにとどまらず、指導法や教授法、トレーニング方法まで、情報の発信も入手も解析もグローバルなものとなっているわけです。ですからブラジルのバレーが世界に吸収されるのも短時間である一方で、日本のこの「遅れ感」は由々しき状況ではないでしょうか?この状況や意識の差をなんとか埋められないかと思うわけです。
 その「遅れ感」を埋めるためにも、今一度「育成の在り方」を考えるべきだと思うのです。そしてただ考えるのではなく、積極的に「海外の育成」から広く情報を集め、吸収できる部分は吸収すべきだと思うわけです。



 このブログでは、日本のバレーボールの課題を「育成」、つまり小中高校生の子どもたちへのコーチングやトレーニングの在り方に大きな要因があると考え、さまざまな角度から話題を提供してきました。
 その「要因」というのは、一言ではまとめることのできない、大変複雑かつ根深い問題もはらんでいると考えています。
しかしながら、
・プレーヤーである子供ファーストになっていない指導者や保護者の欲求
・育成カテゴリであるはずなのに、熾烈な日本一争いに終始している
・選手の指導者や環境への依存と他律
・勝利至上主義と勝利最短主義
・固定化されたポジションなど大会での勝負を理由に一部分のスキルの完成だけ求める。
・指導者の学ぶ姿勢と学ぶ機会のなさ
・初心者に「カタチ」から入る指導
・指導者の試行錯誤なき安易な結果獲得欲求
・世界のバレーボール情報を受け付けない閉鎖性
・カテゴリ間の断絶
などなど、
日本のバレーボールがつまずいている育成の課題のその要因たるや、挙げだしたらきりがないくらい、課題山積なんだと思うのですが、遅々として議論も生まれなければ、変革も生まれないのはなぜでしょうか?

 まさに、「当事者意識の欠如」が深刻なんだと思います。
 カテゴリ間の連携も薄く、しかも責任の転嫁や課題の先送りが染みついてしまっています。

 2020年の東京五輪が迫ってきました。バレーボールの日本代表がより良い結果を出せるかももちろん注目すべき大切なことだとは思いますが、日本のバレーボールと「育成」を考える時、もはや2020年をどうするかよりも、2020年の東京五輪をいかにして良いターニングポイントにできるかが重要なんだと思っています。
 となると、その準備はもう時間がない。前年となる2019年に議論だけじゃなく、いろんなムーブメントが起こってほしいもんだと思うのです。

 そんな思いが芽生えつつある中奇しくも、2019年は「平成」という一つの時代が終わり、日本の新しい時代が始まります。
 私がバレーボールのコーチングに関わって十数年。こうして記事を書き出して10年余りが経過し、この間私なりに感じていることは、日本のバレーボールの課題や問題があれこれ表面化しつつも、なかなか改善や改革に着手できなかったことが多かったのではないかと思います。昭和の日本のバレーボールの財産だけでやってきた限界が表面化してきたのだと思います。
 ですから、新しい時代を迎えるにあたり、もう一度土台から考え直す、「育成の改革」が必要なんだと思います。
 そしてそのためには、まずは日本の独自路線を求めることよりも、海外の世界の主流を知り、実践し、そこから長短を洗い出す作業が必要なんだと思います。「日本の育成」は、そこから取捨選択することでなされていくと思うのです。





 私は、日本のバレーボールの育成現場における、主に指導内容の課題として挙げておきたいのが、

(1)技術をともなった判断、判断をともなった技術の練習プログラム
 一連のプレー動作をわざわざ細部まで分解するような誤ったスモールステップの考え方や試行錯誤なき型ハメ練習、さらには指導者から与えられたワンパターンな戦術の遂行などで育成された選手が、上のカテゴリに行くほど、世界との差が開いています。
 ネットを挟んだラリーの中から、連続的かつ瞬間的に最適な判断を積み重ねていくスキルを訓練しなければなりません。
 従来のクローズドスキル練習で終始する練習から、オープンスキルやゲームライクを取り入れ、同時にクローズドスキルのフィードバックを入れていくような、スパイラル的なスキルアップを目指す練習スタイルが、日本でも当たり前になっていかねばならないと思います。

(2)「システム化」から生み出す対応力と柔軟性(何となくからの脱却)
 とにかくプレーの型ハメ、戦術のワンパターン化からなかなか抜け出せていません。
 バレーボールは、「選手自身が」ネットの向こうの相手とボールを「見て」、「判断し」、「動く」という基本があるのに、指導者の理論武装に選手が巻き込まれる状況が多く見受けられます。
 では、どうやったら、本来あるべき、選手自身の主体的かつ能動的な思考判断と対応力を伴ったプレーを導き出せるのでしょうか?
 そこで必要なのは、「システム化」の再確認だと思います。
 スパイクにおけるテンポがあります。ブロックの配置や反応方法の違いがあります。サーブの狙い方と戦術的意図があります。レセプションシフトの変化があります。各ポジションの状況に応じた動線があります。
 このように、ボールと選手の状況から生み出されてくる、テンポ、ポジショニング、ボールの位置情報、選手の動線・・・これらは、ワンパターンなものであるはずがありません。そのためには、まずはいくつかの選択肢を与えそこから状況に応じて選択させる「システム化」があってもいいのではないかと思います。

(3)「試行錯誤」とコーチング
 「考えろ!」と選手に言っておきながら、考える方法や材料を教えていない。「工夫しろ!」と選手に言っておきながら、ミスやエラーを許さず時間的にも待ってくれない指導をしている。これでは、選手の自立だけでなく、思考判断力も育つわけがありません。
 「育成には時間をかけろ」これは、否定のしようのない事実だと思います。時間をかけるとは、2年3年では短いのです。数年十年かけて醸成していくのが育成だと思うのです。
 選手自らが課題を見つけ、次なる目標や欲求を持ち、そこに向けてトライ&エラーを積み重ねていく。そういった「試行錯誤」を選手ができるように、指導者はどうアプローチするのか。そこが「コーチング」だと思います。
 毎月、毎年、大会で結果を出すことを求める中では絶対に実現できないでしょう。

(4) オールラウンダー性、トータル性の重視
 このブログでも、日本のセッターの大型化が進まない問題、ミドルブロッカーの得点力不足の問題、日本のブロック力の低さの問題、ハイセット能力の低さやレセプション能力の低さ・・・こういった課題は、小学生バレーから始まる、「偏ったスキル指導」、「偏ったプレー経験」からくるものだと主張してきました。
 「育成」から「オールラウンド」という要素を外して考えることはできないと思います。必然的にオールラウンドを求める以上、やはり時間が必要となります。そして様々な機会や環境が必要となります。
 指導内容や戦術の分析も、データやエビデンスを踏まえ、局所的な正解ではない、マクロでトータルな考察も必要だと思います。
 このように長期スパンに立った、トータルでの育成の成功を目指す必要があるのではないでしょうか?



 こういったバレーボールの育成に関わるヒントが世界にはあるのを知っています。公開されている資料や文献だけでも十分知ることができるのです。日本の国際的な競技力向上を考える時、「育成の世界標準」を議論していくことは無視できないと思うのです。
 指導者個々人に育成の理念を期待するには限界があります。どうしても勝利の追及と効率化を求めてしまうからです。だから「育成」については、組織がある程度制度化しなければならないと考えます。
 2019年からはじまる日本の新しい時代、是非とも日本のバレーボールも「新時代」とも言える変化を、「育成」から生み出したいものです。そして組織的な取り組みを模索しなければいけないと思うのですがいかがでしょうか?


(2018年)

2018年10月7日日曜日

Volleyball Mtivation

This is volleyball.

バレーボールの醍醐味をみんなでシェアしたいです^^












(2018年)

2018年10月6日土曜日

女子バレーボールでのトータリティ(世界バレー2018)

FIVB volleyball women’s world championship 2018 Japan Sapporo

1次ラウンド PoolB 9/29~10/4 札幌 北海きたえーる

 世界バレー女子大会が、当地北海道札幌で開催され、東京や大阪から離れた日本の遠隔地にいて、なかなか国際大会を間近に観ることができない私たちにとって、大変貴重で有意義な経験となりました。今回の札幌大会では、イタリア、中国、トルコ、ブルガリア、カナダ、キューバによる1次リーグの試合となりました。

 何といっても世界ランク1位、郎平監督が率いる、シュテイやエンシンゲツといった名高い選手を擁する中国は注目大でした。
 イタリアはすべてのすべての選手の個人スキルが高い印象があり安定した試合運びをしていましたし、トルコも選手起用の妙があり試合展開の運び方が大変参考になります。ブルガリアはチームとして一戦一戦に対する目的が明確でしたし、カナダは組織的なバレーにトライしているようで、キューバは露骨に8年後を見据えた強化をしているのがわかりました。

 こうして数年に一度バレーボールの国際大会を会場で観ることができているのですが、テレビ中継だけでは感じることのできない、いろんな空気を感じることができます。
 やはり、それぞれのチームが、この大会、この一戦にどのような目的や意識を共有して臨んでいるのか、それが日本とは違うような気がします。
おそらく「戦略」という言葉があてはまるのでしょうか?
 もちろん、どの試合にも手を抜くとか負けて良いという感じはないのですが、試合ごとに同じチームでもチームの雰囲気や起用方法が違っていて、面白いなと思います。


 さて、今の世界の女子バレーボールを実際に観てみると、やはりサーブはどのチームも戦術化が進んでいて、しっかりとゾーンを狙ったサーブがほとんどでした。ジャンプサーブもどのチームでも見られました。
 攻撃面では、バックアタックは、まだ男子ほど頻度は多くないし、パイプ攻撃などようなテンポの攻めも少ないものの、旧来の消極的バックアタック・・・つまりフリーボールするよりはマシという意味合いのバックアタックではなく、より積極的にバックアタックを攻撃オプションにしているのもわかりました。


 「ブロック」では、中国やトルコなどが積極的に3枚ブロックを仕掛ける場面が見られ、少しずつ男子バレーの組織的な戦いに近づいているのが感じられます。
 しかし、一方で女子バレーではまだまだ、ゲームにおける「ブロック」の位置づけが、男子とは同じとは言えない印象です。それは、3枚ブロックをやったかどうかではなく、ミドルブロッカーの動きや、相手の中央攻撃に対するブロックの配置などをみていると、女子バレーにおいては、ブロックの戦術化をさらに整備していくことで、チーム力を高め他チームに差をつけることができるのかなと思います。ですから、日本代表女子も世界と戦えるヒントは、ブロックのスキルや戦術を強化していくことが、世界との溝を埋めることにつながるのではないかと思います。
 相手の中央からのクイックやバックアタックなどの攻撃に対して、ブロックが1枚になるチーム、または中央攻撃が絡んだ中からサイド攻撃に切り替わった時にミドルがブロックに行けないチーム・・・こういったチームは今や勝利をつかむのは難しいという印象です。
 確かに「リードブロック」というものを標準スキルとすることが大事だという議論になりますが、必ずしもリードブロックをやりさえすればいいというものではなく、そこはサーブ戦術とのリンクや、配置における対応力、相手の配球傾向の分析・・・など、様々なスキルや情報が必要になってくるような気がします。

 世界の女子バレーでは、ブロックの戦術化のさらなる向上、個人のブロックスキルの向上、そしてコート上6人の個人スキルがさらにオールラウンド性を求め攻撃オプションをより多く確保することができることが、世界の上位進出のカギになってくるんだと思いました。日本代表女子も、世界の上位に入り込む強化はできるんじゃないかと、感じます。


(2018年)

2018年5月14日月曜日

日本のビーチバレーすごいよ!(ワールドツアー2018)

ビーチバレーボールの日本勢が大活躍しています!

ビーチバレーボールワールドツアーで日本勢女子が表彰台独占 男子の高橋/石島組も優勝 (JVAホームページより)

 ビーチバレーボールは、現在ワールドツアーが行われており、日本からも選手が参戦しています。

 先ずはワールドツアーの概要ですが、ビーチバレーのワールドツアーはテニスに似ていて、トップを5スター、続いて4スター、3スター、2スター、1スター、といった感じになっています。
 4スターや5スターで一桁に入るとテニスでいうところの錦織選手のような感じといったところでしょうか?
 そこは、今の日本では村上・石井チームだけで、以前で言うと西堀・溝江チームが今の4スターに当たる大会で一桁順位を出しています。男子で言うと2回五輪に出場している朝日・白鳥チームが3スターで4位というのが過去最高順位みたいです。

2018年ワールドツアースケジュール
http://www.fivb.org/EN/BeachVolleyball/Calendar.asp

ワールドツアーのレギュレーション
http://www.fivb.org/EN/BeachVolleyball/Document/2018/2018_FIVB_BVB_Sports_Regulations_V1.9.16.04.2018.pdf




 そういった意味でいうと、今週、一番の成績を出したのはスイスの3スターで9位になった長谷川・二見チームなんだと思います!
 また、先週の溝江・橋本チームのプノンペン(カンボジア)2☆の銀メダル
 ルツェルン(スイス)で行われていた3☆の大会で、ワールドツアー参戦1年目で3☆の予選を突破した鈴木・村上チームの25位なども、素晴らしい活躍なんだと思います。

 今回の男子では、石島と高橋チームは第6シードからの優勝だったので凄いです!男子に関しては世界全体のレベルが上がってきているのと、女子に比べて強いチームが(特にヨーロッパに)多いので1スターとは言えレベルはかなり高いです!その中でワールドツアー参戦2年目の石島が優勝するのは快挙だと思います。



 このように、ビーチバレーで日本勢が力をつけてきた背景には、女子に関しては各チームに経験があるコーチがついていてチームとしてのビジョンやマネジメントがしっかりしていて、良い練習が出来ていることが大きいようです。そしてそのコーチたちがしっかり繋がっていて、各々のチームの現状報告や情報交換が出来ているのも要因として大きいようです。

 男子は何といっても石島と越川がビーチに来たことが大きいですね!ビーチでは新人ですが、とても意識が高い2人が来てくれたことで選手全体の意識が高くなってきているようです。

 今、長谷川・二見のコーチはイタリアやロシアのナショナルチームのコーチ経験もあるマルコというイタリア人コーチで、彼女たちの活動拠点もイタリアのローマです。溝江・橋本チームもこの冬にスポットでブラジル人コーチのレオンというコーチが付いていました。西村・越川も今はロサンゼルスを拠点としてマルシオというブラジル人コーチを付けています。

 テニスの様にカテゴリー分けされた世界大会が毎週開催されていて、そこに日本人選手たちが世界を転戦していること。そこで先ず下のカテゴリーですが結果を出し始めていてどんどん上のカテゴリーにステージを上げて頑張っている選手たちがいるという事、そして世界の国々と比べて日本には強いチームが数多く存在しているという事が、さらに活躍の背景になっているようです。

2018年ワールドツアースケジュール
http://www.fivb.org/EN/BeachVolleyball/Calendar.asp

ワールドツアーのレギュレーション
http://www.fivb.org/EN/BeachVolleyball/Document/2018/2018_FIVB_BVB_Sports_Regulations_V1.9.16.04.2018.pdf

 以前、話に聞いたところでは、ビーチバレーは、インドアの代表チームに比べて、選手個人でのマネジメントや手続き作業、費用面などの負担がとても大きいとか。そういう中、果敢に日本から世界に飛び出しチャレンジしている日本人選手、そしてビーチバレー界があるということを、日本バレー界全体の刺激にもしなければいけないと思います。
 みんなで、ビーチバレーボールへの応援もアツくしていきましょう!
 ※今回情報提供にご協力いただいた、Yoshihiro ATSUMI(@yoc0416)さん、ご協力どうもありがとうございました。

(2018年)

2018年1月17日水曜日

過去のいろいろ

全日本コーチブラン氏が語る



バレーボールのプレースタイルの変遷



伝説の名セッター猫田勝敏のプレーが観れます。






世界の大逆転劇



FIVB volleyball history





1964年東京オリンピック 東洋の魔女




(2018年)